探偵と歯医者2
2015年6月22日 カテゴリー:雑記
調査員とスケジュールを共有している。
個人の予定も入っているので、最近は各自の歯医者日を一番に確認する。中々予定の組めない職業ゆえ、キャンセルせずに行ったことに安心するのだった。
今、ようやく調査員は歯と向き合っている。
職業ゆえの長年の不規則な生活と、どんな人にもやって来る加齢から来る歯の問題であろうか。
代表A氏が歯医者へ行くスケジュールを取っていることを知る。
そこは事務所からも近い調査員M氏も通う歯医者である。個人情報に関わることになるので内容は差し控えるが、次なるは調査員N氏がここ数日、強烈な歯の痛みを覚えるという。
「痛くなったから明日歯医者行こう~と思ったら、もう痛み止まってますから、今のところ大丈夫でしょう~歯医者はまた今度~」
そう言っていたN氏。
だが、この不安定な周期で来る痛みは本来なら、この段階で直ぐに向かうべきのだが仕事にかまけて放置し、より悪化したのだろう。
N氏は痛みが頂点に達してきたという。
歯医者情報を聞きまくり、速攻歯医者へ行くと小耳にはさむ。私はこの伝播するかのような状況を危惧して、差し上げる時が来たのだと歯ブラシを発注、差し上げた。
それは、昨年、浅草をぶらついていた時だった。
何かいい土産はないかと散策中、江戸風味な店を発見。店内の商品を見て、どんなことにもこだわりのある代表A氏、K嬢の顔が思わず浮かんだ。
ここは、いいお品を置いてはる・・・。
そう思えるお品満載で、天然の馬の毛の歯ブラシを購入した。心地いい固さと、使い込むと毛先が尖り歯茎になじむようで、もうこれ一筋と言わしめた一品で気に入っていただけたようだが、ここにしか売っていないのでネットで注文している。
私自身この歯ブラシの効果を実感し、1本で約1年ほど持つので非常にコスパも良く、歯茎という一番敏感な部分へのタッチが、やはり人工的なものでなく自然が生み出すものがいいのだろう。
我々が、もう若くない年齢に差しかかった歯だけではない。
肉体のあらゆるところに不具合を感じ始めているはずだ。
私が出会った頃の彼らは若く、逞しく、連日連夜飛び回っても問題ない日常を過ごしていたに違いないが、年齢は心の落ち着きを生み出してくれるが、これまでの無理が現れるようになる。
加齢という表現はネガティブに考えがちだが、これまでの日々の蓄えが精神を鍛え上げ、最も脂の乗った熟練の域へと達し、肉体の衰えを充分に補ってくれるものだと思っている。
今後は事務所の端っこにでもカーブスのようにトレーニングマシンをいくつか置いて、皆で乾布摩擦でもしながら日々鍛錬するのはどうだろう。
N氏はじっくりこっくりと歯石取りから始まったようで、そのスピード感にイラついているようだ。ここはじっくりこっくり腰をすえていただきたく、途中キャンセルせぬように目を光らせ、本人よりも親身にしつこくその治療についてお聞きしている。