所在 さよなら大好きな人
2015年5月26日 カテゴリー:調査記
恋愛は生きる上で最も影響を与える大きなエネルギーに違いない。思い出は消え去るものがほとんであるが、一生忘れられないものもある。それが恋愛というものなのかもしれない。
苦しい恋愛をしていた。
その交際は互いの両親を説得することも出来ず、小さな諍いから終わってしまった若かりし頃の恋愛。それは今から40年以上前になるという。
そして、忘れようとしていた過去と再会したくなる時が突然やってくる時がある。
年齢など関係ないのかもしれない。私自身は50を過ぎたあたりだろうか。人生が少し落ち着き、小さな心の余裕と時折吹く寂寥感が過去の思い出を呼んでくるのだった。
そして、懐かしい誰かと、あの頃、私たちはバカだったねと笑い合い、語り合いたくなる。そして出来るのならば、昔辿った道を歩き、その頃何を思い、今あなたはどんな人生を歩んできたのかと聞きたくなるのである。
初恋の人を探す人たちは、過去の自分と向き合うことになるため、過去の自分自身の行いを振り返り、どうしてもっと愛する人を大切に出来なかったのだろうかと苦悩するのだった。
男女の仲は時には嫌いだった人がいつの間にか好きになってしまったり、そしてまた嫌いになって別れ、時が経ってまた好きな人へと変化して、いつしか生涯忘れられない人になってもいくのはどうしてでしょうか。
あの頃の自分の言った言葉のすべてを後悔しています。
過去に戻れるなら、ひたすら謝りたい。
そして、何故か一度も言えなかった、愛していましたと伝えたいのです。
数十年たってからラブコールをされても、答えようもなく、依頼人はただ今の自分の気持ちを聞いてほしいだけのようで、私はそんなストーリーを聞かされて17年がたとうとしています。
一番初めに聞かされた頃は私はまだ30代の中頃で、今よりもっと元気で、人生に早々終わりなど来るなど思えず、他にやるべきことが山のようにあって、会うべき人もたくさんいて、まだ私も青春の残り香の中でいたのかもしれません。
腑に落ちる時間がやってきます。
もの思いにふけることが多くなって、若い頃は明日のことしか考えなかったのに、過去の時間を思い出すことが多くなっていきます。何か新しいことを始めるのに億劫になって、懐かしい過去の音楽に癒されていきます。
初恋の人探しともいうべき、昔の彼女を懐かしむ人達は多くいて、それを本気で依頼される方は過去の自分を未だ清算出来ていない人たちなのかもしれませんね。
ご縁があって私共と出会い、もう一生会えないと思っていた、その存在を確認し、あれほどこだわり続け再会を願っていながら、ようやくこれから前に進んでいけますと最後のお別れをする方もいます。
さよなら大好きな人と言った、依頼人の姿は私だけが理解できることで、依頼後の心境の変化と、お探しすることの意味を知ります。
懐かしい誰かにお会いしたい方。
そのストーリーをじっくりお聞かせ下さい。