猛暑、ご自愛ください
2018年7月04日 カテゴリー:雑記
EVから数秒で到着する事務所のドアを開ける時、この足音は代表A氏、N調査員、O調査員、M調査員、はたまた期待の若手K氏だと瞬時にわかる。
都会のど真ん中でありながら、朝夕と鳥のさえずりは高らかで、カラスがしつこく鳴くのは何かの前兆であろうかと思ってみたり、いつも何かに耳にそばだてながら、調査員方の無事のご帰還を願っている私である。
皆さん、それぞれ特徴を持っていて自分では気づいていないのだろう。
お能のような摺り足で入場するのはN氏である。だが、靴音ではなく毎回スリッパのような足音がするのはなぜだろう。
だが、心配ご無用。
仕事は難なくこなされているので、あくまで事務所に入場するときには全神経を緩ませているに違いない。
比較的、勢いよく入場してく来るのは代表A氏で、昨夜寄り道が過ぎて昨夜のことを思い出そうと必死のパッチで記憶を探っているに違いない時は静かにそっと入ってくる。
さすがはA氏。何か手土産的な物を持っていることが多く、私はそれが天神橋筋商店街でのデザート系なのか、現場帰りに購入した菓子系なのか、瞬時に推察、いつも目を光らせている。そしてそれがただのタオルを入れただけの袋の時もあり愕然とする。
O氏は30年近いキャリアをお持ちだが、スタイルは変わらず羨ましいぐらいにスマートだ。ゆえ入場も非常にスマートだ。
かつてアフロでディスコで踊りまくっていた時代を伝え聞く私は、事務所にアース・ウインドファイヤーでもかけて反応をみたいのだが、現在は良き父となった寡黙なO氏をいじることは出来ないでいる。
M氏は一陣の風のように入ってくる。それはまるで黒豹のような居住まいである。
日頃の職業の賜物だろう、靴音など響かせず気配を消し、いつの間にか着席している。
関西人のすべてがおしゃべりだと勘違いしないでいただきたい。M氏がジョークを言うときは酒が身体に注がれている時だけだ。
そして、若手のK氏はいつも大きなリュックを背負い、タイトなスーツに身を包み足首を見せる今時の若者で、親子のような先輩調査員たちとよくぞここまでやってきたなと褒めてあげたい。
本来ならば誰よりも早く出社し、事務所の清掃にいそしんでほしいが、まったりとアイスコーヒーを飲んでいたりするツワモノであるが、それもまたご愛嬌。
「気をつけていってらっしゃい」。
子供の頃、玄関先で母に毎日言われ続けてきたがそれは子供にとって、あまり響かない言葉のやり取りだったが、大人になって誰かを思う時、無事を祈るその思いの深さを表す言葉なのだと知る。
そして、その足音を聞くことは無事の帰還を知り、変わらぬ今日も明日も無事でありましょうと、エールのように聞こえるといえば大げさでしょうか。
今日も一日お疲れ様です。
猛暑、ご自愛ください。