会いたい人がいるということ
2018年4月19日 カテゴリー:調査記
女性の集まりに参加した時に、初恋の人があなたを探しているって言われたらどんな気持ちになりますか?と聞くと、皆、嬉しいわ、わざわざ探してくれるなんて・・・懐かしい・・・昔話がしたいと無邪気に笑った。
ただ、そんな風に思ってくれる女性ばかりではなく、交際相手とはトラブルがあって、実はDVをしていた過去や嫌がらせをするために探していたとすれば探偵社は犯罪に加担することになってしまうのである。
ある年齢に差し掛かった時、人は必ず過去を振り返る。
そんな時がやってくるのは人それぞれ、若さゆえ愚かな行いをしたことや大切な人を裏切ってしまったこと、あげればきりがないほど罪深いことをしてきたことに気づかされる。
いつしか結婚し、仕事もなんとかやりこなしてきて、人生を重ねてきたからこそ感じられる円熟味の中にいながら、どうしても簡単に切り捨てることが出来ないのが過去に関わってきた人なのだろうか。
ずっと心のどこかに張り付いていたものかもしれないが、いつしか寝ても覚めても過去を思うようになる。
人探しには多くのケースがあって、お世話になった人を探したい場合や、過去に金銭を借りたままで不義理をしたので詫びを入れたいという人もおれば、旅先での短い出会いの中で忘れられない人がいて、数十年たって探したいという人もいた。
相談員も20年を過ぎれば、これまでの所在の詳細は小説にしたいような話もあれば、戦争で引き裂かされ、生き別れとなった親族を探すという涙なくしては語れない話もあって、当時は戸籍すら正しく記載されず調査は困難を極めるものだった。
全てが再会出来るというケースばかりではなく、頂いた情報の違いから発見出来なかった方もいて、残念なことに時すでに遅し亡くなっていたいた方もいた。
そんな人探しの中で、やはり一番多いのは初恋の人探しだろうか。
過去に交際した人が今現在どうしているのか知りたいという人たちである。
本来なら実際に居所を探すということは、プライバシーの侵害で、ストーカー行為にもなってしまい個人情報は安易に知ることは許されないものになっている。
無料面談の段階で、探偵社がきちんとした所かどうか相談者が不安に思うように、相談員として相談者がどんな方なのかを見極める時間として、向き合ってお話しさせていただいている。
相談者の一部の方だが、相手のプライバシーを軽んじて自分本位に接近しようとする、まぎれもないストーカー行為を考えている方もいて、この狭間で探偵社はどこまで依頼人の力になってあげれるのかが問われている。
私と初めて会った瞬間、相談者は不安を隠せない表情の中、とつとつと過去を話し出す。昭和の世代を共に生きた私は懐かしい昔の彼女の写真を見せられて、その時代を思い出す。
時の流れはあっという間に過ぎて、今の自分を支える人達も大事に思っているが、はるか昔に一緒に過ごした人にも今の自分を見せたくて、ただ会いたくなる時がある。
人探しは単なる人探しなどではなく、会いたい人ともし再会出来れば今の生活にも何か彩りが増すのではないかと思ったり、過去の贖罪も含め心が過去と今を生きる現在が交差するようで奥深いものなのである。
どこまでお力になれるのか、お話しをじっくりお聞きしないことにはお答え出来ませんが、会いたい人がいるという気持ちを叶えるべく、じっくりとお話しを聞かせていただいています。