不倫事件簿2
2017年8月22日 カテゴリー:調査記
調査会社には不倫された人、した人。
或いは既婚者とは知らぬ間に不倫の渦中に巻き込まれた人からの相談も多い。
「交際している彼氏が結婚しているかもしれないので調べてもらえますか?」
彼氏とは何年も交際していても一度も自宅を教えてくれない、家族を紹介してくれない、約束している時間以外は電話に出ない、不信に思うことは数あれど、思い切って彼に聞くことが出来ない理由は一つ。
どれだけ心をよぎる不安が大きくなっても、愛してしまっているため、中々事実を知る勇気がなく、私はこれほど辛い恋愛はないと思っている。
事件となる、ふたりは 宮城県の街コンで出会ったという。街コンとは独身の男女が出会うイベントらしいが、すでに男性には妻となる女性と交際中で、女性とはふたまたの関係から始まっていった。
男性は交際して直ぐに結婚したせいか、2か月に一度のペースでしか会わなくなり、住んでいる所を教えてくれず、メールの返信も翌日となり、この関係を若い女性は徐々に不信に思い始め友人に悩みを打ち明けていたという。
男の職業は警察官だった。
交際の時期は震災の地、宮城県へ自ら志願し出向中であった。婚姻の事実を知ったのはFBに友人しか見れない設定にしていた結婚報告の記事を他の友人の記事で偶然発見したことだった。
式場で男は制服を着用しVサインをしているが妻となる女性も同じような満面の笑顔でいるが、苦しい恋愛を続けてきた女性にしてみれば、それは心を打ち砕くものだっただろう。
ようやくこれまでの違和感を解明出来たとしても、恋愛は今日から完全に終了という、のろしを下すことは中々出来ない。
恐らく、このような男はそれが発覚したとしても悪びれずに交際の継続を迫ったに違いない。女性から、三度別れ話をしたものの男性は別れない、俺とは別れられないだろうと言い放ったという。
ネット上で書かれていることをうのみにするつもりはないが、私は長年結婚詐欺案件を扱っているため、人を騙すことに何の疑問も持たない、人でなしがいることは知っている。
女性は別れることを決意したが、相手の出方もあったのかもしれないが、この結婚詐欺のような成り行きを男性の上司に家族に暴露するというようなことを言ってしまったらしい。
短絡的に生きてる人は物事を深く考えない。
男性はその発言に身を震わせ、カッとなって彼女の命までも奪ってしまったのである。
その後、女性の携帯電話を電子レンジで破壊したそうだが警察官でありながら、破壊したとしてもデーターは残っていることを知らなかったのだろうか。
彼女の家に入る時から、フードをかぶり、マスクを着用し出る時と服装を変えていたようで随所に稚拙な証拠隠滅を行っているが、計画的殺人なのではないかとも言われている。
このような場合はふたりで何を話したところで情に流され、一向に解決しないので、第三者を入れて話合いをするべきだったのにと悔やまれる。
なぜなら、被告人質問で被告となった男性は、「女性はその他の(女性の)中の1人。大切に付き合おうという気持ちはなかったし、自然消滅すると思っていた」と言ったからである。
同時進行で7人の女性とも交際していたようで、「自分より下の立場にある女性」が、自分を追い詰めようと、刃向かわれたことで怒りを爆発させたという。
不倫を問われたインタビューで、好きになった人がたまたま結婚していただけと言った女優がいたが、そう謳歌する影に妻や子供、両親の哀しみに気づかないとしたら、人間はただのけだものに成り下がる。
この事件は不倫がもたらす事件ではないように思われがちだが、影に隠れてしまっている結婚したばかりの妻となった女性も人生を狂わされた被害者で、おそらく夫の不貞をいち早く見抜いていたのではないかと推測する。
その新婚生活は何かが狂っていて、帰宅の遅い、帰ってこない夜に疑念を抱き、女の残り香を嗅ぎ、身から離さない携帯電話をチェックしていたかもしれない。
男は現在、殺人罪で懲役18年が確定し受刑中であるが、男性の妻だったという理由だけで、人生最高だったに違いない光景の写真をネット上で、未だに事件概要と共に写真をさらされ続けている。
事件名 既婚現職警官、婚活殺人事件