天神橋筋商店街10
2016年5月25日 カテゴリー:雑記
歩いていると鳩が商店街内を飛びかい頭上を通過する。
人に慣れ、歩く人の足元にいるのは毎朝、米店のオープンと同時にご主人が地面に捲く米粒を待っているからである。
その光景は、まるでご主人がミレーの種をまく人のように見えて、朝の始まりとともに、この牧歌的な風景に安らぎを感じている。
ある店の前で並んでいると、背後に並ぶご婦人が話しかけてきた。
「このあたりで安いスーパーはありますか?」
東京で長年暮らしていた婦人は80を超え、今春、息子のそばであるこの地にやって来たが、天神橋筋商店街がまだよくわからないらしく、私は早速簡単な地図を書いて数か所のスーパーを教えた。
その後、またその婦人と出会ったが、なんとこの日本一長い商店街を歩きつくし、天満市場や西側にある中崎商店街にまで足をのばし、私の知らない情報まで数々教えていただいた。
年老いて知らぬ町に暮らす不安と、おそらく終の棲家になるであろうからと入り混じった思いがあったろうに、自分の足で目で確認した活力と好奇心に見知らぬ人だったが嬉しく思った。
南森町界隈は激安店舗は少ないが、事務所でちょっと煮詰まった時など、商店街の風にあたり気持ちを切り替えることが出来て、裏筋に入ると静かな落ち着けるカフェも多い。
商店街を抜けて歩いていると「保護犬カフェ」があることを知った。
ここは数年前は北欧的なカフェがあった所で、いつオープンしたのだろうか。
HPを確認すると全国に11店舗あり、殺処分ゼロを目指し、心無いブリーダーから保護をした犬たちがここいるようで、重い病気や、年老いて疎ましくなり処分する人も多くいると聞いて心が重くなる。
そして、この近くにある「天神橋バンビの森どうぶつ病院」は、飼い主のいない殺処分の対象となる猫にTNR活動をしている。
T:Trap 捕獲器(人道的な)で野良猫を捕獲すること
N:Neuter 不妊手術(去勢・避妊手術)
R:Return (or Release) 元の生活場所に戻してあげること
この場所を教えてくれたのは、80才の婦人で、自宅に長年暮らす年老いた犬と一緒にいて、インターネットなど知らないので商店街を練り歩き、ある日、裏筋にこのようなカフェがあるのを発見したという。
何度か保護犬カフェの前を歩いてみた。
だが、犬も猫も大好きな私は、ただお茶を飲んで帰るだけの自信がない。
なので、まだそのドアを開けることが出来ないでいる。