春
2016年3月11日 カテゴリー:雑記
休日の早朝はパンを購入するため自宅から歩いて数分のパン屋へ。
町の住人達がこのお店のオープンを待ち望んでいたに違いないと思うのは坂の上のパン屋に向かって、皆、笑顔で歩いてくるからです。
町は年寄りばかりと思い込んでいましたが、多くの小さな子供たちが、早朝パンを買いにやってくる姿と全速力で自宅に戻り、そのおつかいの姿が可愛らしいのです。
窯から出る煙と香ばしい匂い。
それらが外にあふれ出すとこの休日のはじまりがとても豊かに思え、私は自分へのご褒美として、更に公園まで歩き高台から町を見下ろしてコーヒーをここで一人飲んで過ごす。
川向こうの遥か向こうの町を眺め、訪れる犬たちや飼い主を眺め、さりとて何も大きな問題が起こらないことに幸福を感じながら穏やかな静かな時間です。
震災から5年たちました。
親友が東北にいるので、常にではありませんが東北の地震速報が流れるたびに胸の奥がつかまれるような気持になってしまい、訪ねた石巻を思い出します。
未だ、17万人の方が避難生活をしていて、解決できない問題も多く、また被災した範囲が広すぎるのか復興事業も遅れています。
しばらく会っていませんが、彼女のおかげで、この当たり前のように思っていた自分の置かれている環境は実は奇跡のような幸福なのだと教えてくれました。
白石川の千本桜は今年も見事な姿をみせてくれるでしょう。
自然はどこまでも美しく、強く、心を熱くするものをみせてくれます。
まだまだ、寒さは残りますが、春を感じるとあの千本桜を思い出し、東北を思い、親友の声が聞きたくなります。
今日は家族との時間、大切な人との時間を教えてくれる日であると思いながら過ごそうと思います。