所在 夫から別居話
2016年3月03日 カテゴリー:調査記
朝、目覚めるとベットの上で悲しみに包まれるという。
また苦しい一日が始まる。
出来ることならば、もう一度あの何も聞かなかった日々に戻りたいと。
ある日、夫から別居したい、実は好きな女がいると聞かされた時は晴天霹靂で頭が真っ白になりました。何故なら、それまで夫は噂になっている友人の不倫にさえ、嫌悪感を示すほど真面目な人だったからです。
多少の夫婦喧嘩はあったにせよ、その告白の前後に何かあったということもありませんでした。むしろ、夏には家族旅行を予約していたほどで私は真っ白になった頭の中で必死で言葉を探しました。
あなたは一体何を言ってるの?私はずっと騙されていたの?と。
落ち着いて話すことなど出来ず、その日は話は進みませんでした。
夫は、私に告白したことで自分自身がすっきりしたかのように今度は急にだんまりです。そして信じられないことに何故か夫は以前と変わらぬ日常になっています。
一体誰と暮らすつもりなのと言ってから、相手女性については何も話さなくなりました。長年の信頼出来る占い師にこのことを相談していますが先が見えません。
私は占い師ではありませんので行く末を曖昧に判断出来ませんが、夫が別居を申し出るということは離婚を前提でのことが多いものなのです。
家中の空気がはりつめ始め、夫がテレビを見て笑っている姿を見たのはいつだっただろうと。夫はあれから何も言わないけれど、告白した以上、いつ急に家を出るかわからず、お互いに見えない何かと戦っている毎日です。
深夜、怖い夢を見た時のように、突然襲ってくる言いようのない不安感で目が覚める。
この部屋にある全てが夫婦が築きあげた思い出の品なのに、それら全部がグレーになって、今は廃墟の中にいるような気分だという。
このようなご相談を聞いた時、私も苦しかった日々を思い出し、その頃はそんな毎日が永遠に続くかのように思い、好きで集めていたコーヒーカップも一体今まで何を見て暮らしてきたのだろうと、くだらないモノにしか見えなくなるのでした。
朝、目覚めて、やっぱり夢ではなかったと。
夫はそばにいても以前の夫ではないと感じる気持ちは私自身も経験したことです。
今後のことを考えてこれまでわからなかった相手女性について調べ、今何をしなければならないのか。現実を知ることで妻は肝が据わって、感情だけに支配されず冷静に考えるようになっていくのでした。
そして、すべてが収まる時は必ずやってきます。
ある日、街で素敵なカップを見つけると手にとるようになり、より一層暮らしには彩りが必要であることを感じ始めます。
依頼人からのお話を聞かせていただくと、常に過去の自分と向き合っているかのようで、どんな過去も逃れられない自分の大切な歴史の一部ですね。
今もこうして夫婦の問題を直視する職業についたことは、この辛い過去の経験でさえも意味があったのだと人生の果てしない奥深さを感じています。