素行 妻の浮気調査
2015年7月01日 カテゴリー:調査記
断言して言えることがある。
浮気は必ずバレる。
バレないには理由があって、妻が黙認している場合だろうか。この黙認とは気づいてはいるが金銭的に生活が安定していたり、好きにすればと全く愛情がなかったりする場合である。
そのような黙認が出来る夫婦関係は、すでに破たんしているのかもしれないが、金銭だけの繋がりだと、夫が資産を動かそうとした時、妻も黙っていない。
確たる証拠をつかむまで、いわゆるその浮気がどこまで本気なのか?
事を突き詰めてしまうと、全てを失ってしまうような気がして前に進めない。
浮気をしている妻の行動を半年近く様子を見ている夫がいた。
妻の不信行動について何も言わず、帰宅を連絡せず早めにしたり、休日を変更したりと 夫なりの監視モードで怒りのテンションのブレーキを踏んでいた。
だが、いつまでもそのような日常が続くはずもなく、妻は夫の監視に気づき、自宅を出るチャンスを失い喧嘩が絶えなくなっていくのだっだ。
夫は、それでも、この不信は勘違いなのかもしれないと、誰かと会っていたとしても、それはほんの一時の火遊びで、何故なら、どれだけ遅くなってもこうして家に帰ってくることで、いつか終わりにしてくれるだろうと。
自分の誕生日、子供の誕生日と区切りをつけながら、これまで何とか気持ちを奮い立たせてきた夫だった。
けして妻を許していたわけではないが、現実に起きていることを直視する術がわからなかったので悔しくも黙認している状況だった。
何も言わなくても、夫の苦しみの感情が波動のように妻に伝わり、その不遜な空気を感じ取り、夫に気づかれているかもしれないと男にメールで伝えながら、それでも会い続ける妻だった。
不倫は誰かが言葉のあやで言った文化などではなく、夫婦として愛情が残っている関係ならば確実に誰かを深く傷つけるもの。
その傷の深さは自分でも気づかないほど深すぎて、ある人は命さえ奪いかねない行為に走り取り返しのつかない事件を起こす。
その依頼人の夫とは今も交流がある。交流といっても忘れた頃に近況のメールが入り、それはいつも子供たちの成長が書かれ、時の流れを感じて心を熱くさせる。
人生には隠されたように落とし穴があちこちにある。
一瞬の魔に吸い寄せられて落ちてしまうと二度と抜け出せない人もいる。
それは浮気に翻弄される当事者たちであり、行き先の見えない生活から徐々に家族も狂いだし鬱状態となっていく。
少なくとも調査会社に依頼を決めた人たちは、幾重もの波を超え、愛する人を失いたくない気持ちが強く、どれだけの深さにころげ落ちたとしても、傷だらけになりながら這い上がれる人だと信じている。
この依頼人の夫とは10年近くたっているが、紆余曲折、荒波をくぐり抜け、今も妻と婚姻をしている。当時、どれだけこの依頼人と今後のことについて話し合ったことだろう。
調査は約束期日で終了するが、心の決着が残されているので終わりのない仕事をしているように思うことがあるが、依頼人の数と共に夫婦の姿があって、最後に下した決断を知って、私の仕事がようやく終えられるのかもしれない。