夢日記
2015年2月12日 カテゴリー:雑記
夢日記をつけていた。
何か自分の知らない心の内が発見出来ようかと思ったが、書き記す夢の残像は数行でしか表せず毎回解読不能であった。
その夢の中で私はいつも考えもつかないスタイルで登場していた。
私は何者かに追跡され廃墟を走っていた。
背中には竹刀を背負い、腰の巾着袋には握り飯が入っている。
だが、衣服は30年前のOL時代の事務服で、なぜか頭に頭巾を被っているのだった。
追手から逃げる道中、フェンスを必死に登るも追いつかれる寸前で阿鼻叫喚、追手に握り飯を投げつけて「こっち来るなー」と叫びながらフェンスを掴んだのだった。
目覚めたら、新幹線の座席にいた。
男性が大きく口を開けて驚愕した顔は一生忘れないだろう。
男性は笑顔の素敵だった故、金子哲雄にそっくりな穏やかな風貌の方で着席するなりノートPCで控え目に仕事をされてた。ならば私も営業資料を確認しておこうと思いつつ、即、爆睡していたのだった。
ミスター金子氏もさぞや恐ろしかったに違いない。隣の女はいきなり爆睡したかと思えば、ゾンビのように襲いかからんばかり叫び、激しくその手をわしつかみされていたのであるからにして。
私は可能ならば他の座席に瞬時に移動したい。途中下車したい衝動にもかられ、もはや穴があったら入りたいレベル等ではなく、人間電動ドリルとなって地中に身を隠したいほどの気持ちだった。
だが身勝手な行動も許されようもなく、まだ道行も名古屋を過ぎた辺りで富士山も見えない。
同じくミスター金子氏も同じく東京に向かっていることを感じ取り、再度爆睡出来ないか目を閉じるが頭冴えわたり不可能であり、資料も頭に入らず、ミスター金子と友人になる方法を選んだ。
偶然にも互いの職場が近くで、ならばあのお店を知っていますか?と聞くと先週行ったと言い、同じく私も先週行きましたと、我々は同じ時空を重なり合い、この前兆を予感しながら過ごしていたのだった。
とても不思議な出会いに思えた。
夢にうなされなければその指定席を選び取った隣人とは都会の渦に巻き込まれ、同じ地にいながら東のどこかへ去り行き、永遠に出会わない隣人であっただろう。
この出会いは私が調査業に従事する前の話で、メーカー勤務していた頃、催事営業のため東京に向かっていたのだが、数年に一度、どこかで出会う。頻繁に連絡など取らなくても、ふと思うのである。
友よ、元気だろうかと。
その後、調査業への転職を伝えたところ、ミスター金子氏は若い頃、知人が調査業を営んでいて探偵社に数年勤務していた人物であることを知った。
少なくとも探偵の知人は、この職業を始めてから知り合った人しかおらず、稀有な職業ではなかろうか。気づかぬ内に激しく掴んだ手は良き友人を得ただけでなく、生涯の仕事となる経験者であったことに夢と現実を混在した中で生まれた奇縁を感じるのだった。
夢日記はつけていないが、この事件によって教訓としていることがある。
前日には必ず十分な睡眠をとり、車中の読書も未解決事件シリーズや時代劇モノは読みひかえ、且つ、到着まで緊張感を持って隣人の方に注意を払いながら新幹線には乗り込むようにしている。