素行 悩み続ける人
2014年10月31日 カテゴリー:調査記
長年、夫は気に入らないことがあるとDVを繰り返してきたという。
子供達は家出を繰り返すようになってしまい、夫はそれさえも妻の責任であると責め続け、そんな生活の中から夫の浮気を知った妻でした。
一体何から解決すればいいのか。
家を飛び出すことも出来ず、怒りから浮気相手とする人物に嫌がらせをしたい、おとしめたいなど、心をコントロール出来なくなった相談でした。
恨み晴らします。
その様な調査会社もあるかのように錯覚しまいがちですが、真っ当な調査会社ではお受けすることはありません。
打った頬は必ず自分に返ってきます。
周りには人ごとなのか、友人でさえ煽ってしまう人も多く、これまでの生活の苦しみから、怒りの矛先を相手へと向けてしまうのかもしれません。
しばらく聞いて辛いですね。
と言えばハッとして心を落ち着かれていかれます。
会ってしばらくお話すれば心配していた激しい口調の怒りのオーラは薄まり、帰らぬ子供達を探し回りながら、夕飯をいつも用意して待っていて、どんな状況でも頑張っている母の姿が見えてくるのだった。
何もわかっていない出来ないならいいと。
ただの咳払いを笑ったのかと言われたのは15年以上前になるでしょうか。
顔の見えない始まりから入る、人の苦しみをお聞きするということ。
どれだけ親身にお聞きしていても、相談者の方の悩みは深く、上っ面だけの気持ちの入れようでは、とても心の中に入ることが出来ないことの難しさを痛感しました。
妻は深い海の底に光があるかのように深く深く潜り続けます。
そこは何も見えない、聞こえない世界なのでしょうか。
相談員はどれだけ怒り、無理難題を言われても、どんな話も聞き続けてきたことで人間の本質は愛情深く、それを表現する時、裏腹な言葉を投げかけるもので、それが全てではないことを理解しています。
そして、依頼人の方が確かな生活を取り戻したいように、相談員も確かな仕事をお受けしたいと思っています。
思うがままに実行して修羅場となって、取り返しのつかない事件を世間ではどうしてと疑問に思われるかもしれませんが、相談員は日々そのような告白を聞いています。
悩みが深くなることで、細かいことにこだわり過ぎていきます。
そこに立っていることが奇跡のようで、今にも崩れ落ちる城の中でたったひとりで防波堤になっているのが依頼人です。
何かのきっかけで他者に聞いてほしい。
その方法がはたして正しいのかどうか判断してほしい。
きっと最後に残された正しいジャッジを求めてお話されているのだと思い、お聞きしています。
どうか迷い込まず、深く潜った底の印をどうか見つけて下さい。
それは誰の力でもなく、自分自身の力で探し、這い上がって来られる方が依頼人なのだと思います。
相談員は、その最後の力が尽きた依頼人のその手を強く引き上げる人でありたいと、いつも思っています。