カスタマイズ2
2014年6月30日 カテゴリー:雑記
一見、それは時計のように見えるが時計ではない。
その腕のバンドは装着された機器が受信して、携帯電話の着信を伝えるもので
バイブレーションをする。
我々の電話は常に約束されていない時間の一瞬のコールとの戦いである。
調査員同士の電話は瞬時に取ることが要求され、すなわち毎回緊急のコール。
だが街中を歩いていると、着信音さえも消しさるほど喧騒の中にいる。
状況からバイブにしておけば気づかないこともあるため非常に便利な一品であろう。
私も早速購入したが、シリコンラバー素材のバンドに包まれた中心部に機材が埋め込まれ
形は実にシンプルな形状である。
だが、代表A氏は細部に、とことんこだわる男である。
その簡素な地味バンドを常に腕に装着していることが、好んで着用している時計やアクセサリーと勘違いしないでいただきたいと、許せぬ何かがあったのだろうと推察する。
そうです。
この常に携帯するバイブバンドをカッコ良くアレンジしたかったに違いない。
「このバンドの上から革紐で編んでみようと思う」
そう聞かされた時は、そのアイディアに驚き、多忙の中、某手作り手芸店へ赴き、
革紐を自宅で編み上げる職人姿のA氏を想像した。
翌日、第1のカスタマイズ作品は革紐でミサンガのように、バンドの上からきっちりと編み上げた大作が机上にあったのを発見する。
私はその形から驚いてムカデと命名した。
革紐が太すぎて、バンド上部を編み上げると全体の2倍ほどの大きさになって、
私には腕にからみつくムカデのようで目立ってしゃーないと心の中で私は思った。
無心になりながら最後まで編みあげ装着するも、そのカスタマイズにこんなはずではなかった。何も語らぬが表情から私はカスタマイズの困難さを知った。
又もや、客は女性しかいない某手芸店へ走ったのだろう。
第2のカスタマイズは、革紐とビーズのブレスタイプだった。
それはまるでアメリカインディアンのオジブワ族に伝わる伝統的なドリームキャッチャーのような夏にふさわしい涼やかな風を感じるもので素敵なカスタマイズだった。
私はドリームと命名した。
納得がいかなければ自分仕様にすることが、こだわりである。
それは生き方、仕事、全てに相通ずる。
それを眺めると実に繊細なチャーミングな一面を垣間見せていただくカスタマイズだった。
また、この手芸店は素材の多くが実にハイセンスな品揃えで、乙女心をくすぐる。
ならば、ついでに私の分もキラキラビーズ、或いはビジュー、スワロフスキーなどで作っていただけないだろうかと毎日考えている。