失敗の先にあるもの
2014年6月06日 カテゴリー:雑記
私はどれだけ急いでいたとしてもスカートのファスナーが全開している人を発見したら、
駆け寄ってそっと声をかけるだろう。
その日、母は最寄駅でトイレに入り、直ぐに電車に駆け込んで到着まで着席していたという。
最大で一日50万人が利用する阪急梅田駅に到着。
3Fのコンコースをお気に入りのいでたちで颯爽と歩く。
これからの楽しい時間の始まりに心はきっと浮き立っていたに違いない。
だが、1Fの某百貨店に入店して店員の言葉に驚愕したという。
その日、着用していたのはエスニック風の巻きスカートである。
それはウエストが自在ににコントロール出来るもので、素材はシフォンのような軽い、
非常に薄い素材だった。
列車の時刻が迫り急いでしまい、身を整える時間を失ったのであろう。
そのエスニック風に合わせたアクセサリー、サンダル、バック全てが完璧であったはずだ。
だが、忠告を受け確認すると、スカートの後半分が存分にまくれ上がり、腰の部分で裾がからみつき、なんと、臀部の全てを丸出しで梅田駅から某店まで歩いていたのである。
すれ違った人はどれだけいたことだろう。
都会の人はすれ違う他人の姿にいかに関心がないかと知る。
人々はスマホに夢中であり、考えることが多すぎて前を見ているようで何も見ていない。
ただ空虚なる行進をしている人達なのだろうか。
帰宅して、その恥すべき姿を再現してくれた我が母のおぞましい(失礼)姿を見て、
私は愛猫が飛び上がって驚くほどキッチンで大声で笑いころげた。
もう笑いが止まらんのです。
ファスナー全開など可愛いもんです。
あの白い巨大な鏡餅が誰も目に入らぬはずはなかろう。
これまでの見たことがないインパクトを持ったスカートめくりである。
だがこの失敗を恥入ってはならない。
この失敗は教訓であり、「急いては事を仕損じる。」
私が常々、仕事、生き様などにおいて、心に念じる言葉である。
ちなみに男性のチャック問題についても何度も目にしてきたが、それについても
私は囁き女将のようにそっと近寄りお伝えしている。
エスニック風のスカートは思うことがあったのだろうか、独自に裏地を付けたようであるが
着用している姿を見かけたことがなかった。
だが、その後、玄関の靴箱の上の敷物として、いつの間にかリメイクされていることに気づき、再び私は笑いを抑えることが出来ないでいる。