だいすき日本
2013年12月24日 カテゴリー:雑記
そこは昼時なのに客は私ひとり。
都会ではない、歩く人も全く見ない小さな町。
淋しげにポツンとある外国人の方がやっているレストランに入る。
ガムランが流れ、非常に凝った装飾の店内である。
勝手ながらやっていけているのだろうかと思いながら食べていると非常に美味い。
地域に根ざしているならば、こんな日もたまにはあるだろうと店を出る。
縁があって何度か、その店でランチをしたが同じく客は私ひとりだった。
店主は私のことを覚えていて、また来てくれましたねとサービスでデザートを出してくれた。
場所だけではない、飲食店とは本当に大変な商売である。
まして日本人の口は世界一厳しい。
そんな中、潰れそうだったが悲し過ぎるツイートで一躍人気店となった「だいすき日本」と言う名のネパール料理店があるらしい。
きょうもつらいランチでした ひとくみでふたり おわつてしまつた ちらしくばりとかやつてますけど ちらしもつてきたきやくはいまのところいない
デイナは男とおんなふたりだけきました 19じすぎふたりとも キーマとナンたべてかえりました
どうしたらいいのでしようか??ここまでなるとはおもつてませんでした
ねつでちやいそうね いまのところ おきやくさんこない ちらしもないよ
500まいつくったけどおわりました
ごめんなさい きようも おきやきさん きませんでした やられたね
東京・中板橋店ネパール料理「だいすき日本」の店長であるピカスさん。そのつぶやきのほとんどは必死で勉強もしたのだろう。子供が書く日記のような語り口で間違いもあるが平仮名で発信する。
このネットの繋がりは思わぬ波紋を広げ、ピカスさんの悲しすぎるツイートから何か目が離せないようになったのか、ついに店に客が全国からも訊ねて来るようにまでなったという。
その店は日本が大好きなネパール人が2010年10月に新規オープンした店だが、写真で店を見る限り、町の片隅に、うずもれている非常に残念な感じのお店である。
だが、実際にこの店を訪れた客は味は良いようで、評判はすこぶる良い。
訪ねて味が不味ければ、サービスが悪ければ以前よりも酷評されるわけで、この店を思う必死の思いと、客の来ない店で、ただひたすら待ち続けるだけの時間を過ごす孤独。自分の国ではない所で勝負しなければならないことは私には想像もつかない苦労があるだろう。
最近ではピカスさんは根性が決まったのか、元が明るい方なのか、調子づいてしまったのか、趣味が筋トレらしく、意味なく何故か上半身裸でHPで登場している。
しかし、これもまたご愛嬌。
問題ばかり指摘されるネットの世界についても、時にはこんな風に、誰かを心配したり、応援したいと思う優しさが現れるのだと思うと何かグッとくる。
最近の ピカスさんのツイートを。
なみだやつらいこともあれば わらいと たのしいこともある
まけがあればかちもある ことしもあとすこし さびしいけど
2014あたらしい とし おたのしみ みんないいことありますように