事務所の断捨離
2013年8月13日 カテゴリー:雑記
経済新聞デジタル版によると、岩波書店が、80年以上にわたり続けてきた六法全書の刊行を、「平成25年版」を最後に終了したという。インターネットを使った条文や判例の検索が一般化し、需要が年々減少していることが理由という。
事務所には壁一面に古い全国の電話帳 住宅地図、法令関係の書籍、専門書が並んでいます。その多くは30年近く前の書籍群で美しい装丁のカバー付きです。
1冊10万前後、並べているだけでインテリジェンスなムードに包まれて、当時、知の分野として書籍というものがどれだけ重要であったかと知ります。
無論、ネットの情報も必要ですが、人間の目と実際の現状を確認することを絶対的に行い、調査業では過去の存在を調べることもあり、このアンティークな書籍も重要な情報になっています。
それをひも解くと、手あかにまみれたページは赤線が引かれ、折り目がつけられ、先人がどれだけそれを元に知恵を絞ってこの調査業を行ってきたかと胸が熱くなります。
平成生まれの人には考えられないかもしれませんが、激動する時代、デジタルな機材などない中、探偵は今とは違う困難を極める中で仕事をしていました。
時代の流れと共に、数十冊の書籍を処分しました。
感慨にふけりながら、事務所の断捨離を始めています。
しかし、探偵社とはやはり、手作りの特殊な機材、アタッシュケースに仕込まれたカメラなど、一般の方達からすると、実に謎に満ちているモノが多く存在します。
その謎の機材を調査員の人に当時、どんな風に使用したのか。
そのエピソードを聞くと、それが今は例え使用することなど出来なくとも、
捨てることなど出来ません。
時々眺めて、書棚にひっそりと置いています。