素行 待っている女
2013年8月06日 カテゴリー:調査記
不信に思い、つい夫の携帯電話のメールを見てしまったという。
メールのやり取りをチェックをしてみたら、その女性からの返信のほとんどは。
「待っています」
1行だけだった。
不倫関係には、どちらか一方が熱いことがある。
その残された全ての返信を見て、依頼人である妻は油断出来ない、抜き差しならない、
女性の心情を感じたという。
今では不倫の始まりも喧嘩も別れ話もメールで始まり、虚実入り混じった世界でも真剣に会話をしています。顔が見えないからこそ本音をぶつけられて、その文章は短かければ短いほど、心を強く現わしてもいるかもしれません。
夫は約束している時間に少し遅れるとメールを入れていました。
多くの不倫メールのやり取りでは、そのような場合、もうすぐ会えることで無邪気な返信が多いのですが、この女性は毎回何かにつけて、どんな文章にもただ、一行。
「あなたを待っています」
そう返信されると、男性ならばどんな気持ちになるだろう。
私は何もいらない、あなただけがやって来ることを待ち望んでいる。
たとえ、何時であろうとも、私は待っています。
そう感じさせてしまうのは考え過ぎだろうか。
浮気相手の女性にも様々な人がいて、浮気を悪気なく楽しんでいる人。
満たされない思いから発展した人、何となくズルズル流されてしまった人。
厄介なことに、そこから全ての人が逃れられなくなり、知らぬ間に女性の多くは、
この「待っている人」になってしまうのです。
いつまでも待たせていることなど出来ません。
待つことに慣れてしまうと、永遠に待ち続けていくようになって行きます。
夫も待たせることに平気になっていくでしょう。
そのたった1行の言葉に夫と共にした時間の流れを察知して、それは妻でしか感じることの出来ない深い意味のある1行です。
その一行を見つけた時の慟哭と、ただ無性に涙がこぼれるだけの長い時間。浮気はある時を境に濁流の中に入ってしまうと、される方だけでなく、している方も飲み込まれてしまい被害者になって行くものだと思います。
相談員の仕事は、その濁流の中から依頼人だけでなく、関わる人達を救うことが出来たらと願いながら、いつもお話を聞かせていただいています。