NHK未解決事件
2013年6月12日 カテゴリー:雑記
そんなバカな話があるわけがない。
他に相談する人はいなかったのだろうか?
何故、警察に相談しなかったのだろうか?
皆、その事件をニュースで知っても、理解しがたい事件だった。
NHKが「未解決事件ファイル・尼崎死体遺棄事件」を取り上げ、この事件の詳細を1時間半にわたって放送していた。関係する人間関係は判明しているだけで数十名、その複雑な人間相関図を見ても理解するのに非常に時間がかかる内容である。
現在この事件で問われていることは、被害者達が何度も警察に相談していたことや、監禁されていることを察知して、近所の人が通報していたことだった。
ある女性は犯人グループから、目の前で拉致され、友人達はその姿を目撃し命の危険を感じ、直ぐ警察に行ったが、これも身内の問題とスルーされている。
だが警察がその家に出向き確認に行っても、何年も異常な時間の中で、家族一同がマインドコントロールされてきたので、被害者としての意識が失くされてしまい、全てが家族内の問題として処理されていたのだった。
ニュースの情報だけではその心理が不明だったが、こうして事実に基づきドラマ仕立で演じると、常識を超えた人間性を感じることが出来たが、首謀者である人物は獄中で自殺し、果たしてどこまで真実に近付けたのか不明である。
唯一、獄中で最後に一緒にいたある女性のインタビューが一番興味深い。
「おかしい・・おかしい・・」と言っていた最後の夜に発していた言葉。
その推理は、絶対的に支配下に置いた家族であると信じた者達が事件の逮捕によって、徐々に自分への裏切りを見せ始めたことに絶望し、抵抗の自殺だったのではないかと。
金銭をせしめ奴隷のように扱い虐待することが、一体どうして家族と言えるのだろうと理解出来ないが、それを知るには生い立ちや、過去の半生をもっと深く知らなければならないが、地上波では限界なのかリサーチが浅く知ることが出来なかった。
長年の相談電話の中には、想像もつかないようなことを聞かされることもある。心を失いかけた人は、うまく話をすることが出来ないことが多く、伝えることが上手くいかず誤解を受けることがあるのかもしれない。
誰にでも起きうる事件であると、改めて認識する。
作家・高村薫が関係者へのインタビュアーとして登場し、事件の地へ全て赴き、その空気を感じながら、廃墟のようになった家の中を徘徊していた。
番組の内容については賛否両論あるようだが、その暗部と心の闇をノンフィクションとして、今後、高村流に描ききってくれることに期待したい。