サラリーマン川柳
2013年5月31日 カテゴリー:雑記
川柳。
この短い言葉の字数の中に真意とユーモアを取り入れること。
この言葉遊びは現在も絶えることなく、日々の暮らしの中で息づいているようです。
いい夫婦の日川柳、愛妻・川柳コンテスト、第一生命サラリーマン川柳。
この3作品から選ばれた珠玉の作品をご紹介したい。
俺も行く 言ったら止めた 妻の旅
家族割 あるのに妻と 通話なし
いつ買った? 前からあったと シラを切る
炬燵から 首だけ出して しきる妻
なるほど。
どこの家庭にもある和やかな風景が思い浮かばれます。普段は声に出して言えない、その哀愁に満ちた男心が川柳界に溢れています。
この俺に あたたかいのは 便座だけ
断捨離で 俺のものだけ 姿消す
妻の目は 防犯カメラを 上回る
オレ粗大ゴミなら おまえ 危険物
妻つよし こびない ぶれない 離れない
直帰する 妻の返信 えっ!困る!
その家族の方達に、ちょっと会いたくなってしまうような川柳もたくさんあります。
夫婦であることの小さな幸福に気づくことが出来る人は、生きることへの喜びも感じている人です。
いつまでも 母だけ笑う 父のギャグ
老妻と 辺り見回し 手をつなぐ
ほっとする 家の灯りと 妻の顔
地震の日 何よりうれしい 君の声
車椅子 押して夫の 重さ知り
さあ帰ろう 君待つ家へ まっしぐら
全ての作品に順位をつけるなど出来ない、どれも素晴らしく魂の叫びと愛を感じる。
多くを語り過ぎず、流れるようなリズムで、自由に、そして、疑問符を投げかける。
痩せるツボ 脂肪、邪魔して 探せない
肉らしい つまんだお肉は 憎らしい
ブランドを着ても ただのおじさん ただのデブ
がんばろう 生きているから 悩めるの
神様に 何でお金が 要るだろう
この短き言葉の与える絶大なるインパクト。
これはまさしく自分の心情ではないかと思う作品を多く発見し、私は驚きを隠せない。
この川柳シリーズは本になり、CMやドラマ、漫談にも使われているようです。
私がグッときた川柳を最後に。
アルバムの 昔の君に 浮気する
声に出して詠んで、心にとめて、それはいつまでも深く余韻を残します。