身上 表札のない家
2013年4月19日 カテゴリー:調査記
「あるマンションの号室までわかったのですが表札がないので、そこに住んでいる人の名前だけが知りたいのです。」
初めてのご相談のお電話では、それまでの経緯や全てを話すことに大きな抵抗があるものです。勿論、相談員もその短い言葉の中にある深いご事情を察しながらお聞きしています。
調査依頼を決意する方の多くは、状況証拠を多く掴みながらも、それらを一切認めようともせず、修羅場になってしまっている方。ようやく自身で何らかの追跡をして浮気相手の自宅がわかり、乗り込んで話がつけられると思っていたら、やはりこれも言い逃れされてしまった方。
トラブルが起きると自分の目で確かめたいという気持ちは必ずあって、自身で、親きょうだいで、知人で、張り込みや尾行をしてしまった方は多くいます。
そして、それらがうまくいかず、失敗で終わり、相手と状況が悪化してしまった方。
自分の家族に不信をもたれる場合、出来ることならば自分で何とか解決出来ることを望んでいるからです。そして、上手くいかなかったことで、ようやく本物のプロにお願いされるのだと思います。
最近ではマンションでも、ネームプレートには名前などが書かれていなく、特に女性の一人暮らしとなればフルネームで表札はあげていません。実際にそこに浮気相手とされる女性がどんな家族関係で、いつからそこに住んでいるのか等は普通の方が判明させることは出来ないでしょう。
自分の住む家の表札を掲げることをしなくてもいいような時代になり、長年住んでいても隣近所はどんな人が住んでいるのかもわからない。
そんなご時勢である現代では素人の方が聞きまわっても、不審者として思われてしまうだけかもしれません。
その名前は全てのキーワードであり、名前さえわかれば夫の仕事の関係者なのか、妻の疑い続けてきた人物なのかが判断出来ます。内容証明、訴状送達などでも一番重要なところです。
「名前のみが知りたいのです」
そう、お電話でお話しされる言葉の裏には長い時間の中でもがき続けながら、ようやく何かを掴み、相手と真剣に話し合いをするために決意をしたものでしょう。
それを伝えることは調査会社にしか出来ないことで、深い意味のあることでもあると理解させていただきお受けしています。