素行 メールの返信が遅い彼
2013年1月11日 カテゴリー:調査記
メールは今、気持ちを伝えたいことを送信するのもので出来れば返信はすぐではなくても必ず欲しいものです。
彼とは交際して8年。
そろそろ結婚を考えていましたが、最近は何かすれ違ってばかりの毎日です。何がおかしいという確証があるわけではないです。
ただ感じるんです。それは上手く説明出来ませんが他に女性がいるような気がするんです。
一度離婚を経験しています。彼も同じような苦しい離婚をしています。当時は今更、入籍しなくてもパートナーとしていれたらいいなと思っていました。
ある晩、とても綺麗な満月を見て思わず彼に
「お月様が綺麗だね」 とメールを送りました。
その時間は彼は仕事も終えていたので、すぐに返信があるかなと思ったら翌朝まで返信はありませんでした。そんな子供じみた事を言っても仕方ないのですが、今までこんな事はなく、この日は私とのデートを用事があると言って断られた夜でした。
女性の持つ感の鋭さは愛する人だけにアンテナは向いています。
それまでの彼との小さな違和感を少しづつ、少しづつ修正しようと試みますがやはり、消し去ることなど出来ず不信感として残されて大きな石の塊になっていきます。
それから、何か思うたびに頻繁に彼にメールをするようになりました。何故だかわかりません。彼にしてみれば突風が吹いたからどうなんだという感じかもしれません。
8年も交際しても、彼の全てがわからなくなってきました。大人の女でいなければ、嫌な女になってはいけないと何度も思いながら彼を追い詰めていきます。
ご相談を聞いていると、私も同じように胸の奥がすっきりせず、そのシャドウのように張り付いている何かをはっきりとさせたくなります。
そして、やはり愛しているからこそ感じるその女性の存在は妄想でも幻覚でもなかったことが判明しました。
30代、40代、50代とそれは女性として、肉体も心の持ち様も変化し、歳を重ねていくほどに愛情深くなっていきます。それは同じように男性にもあるのかもしれませんね。
満月の美しさ、突き抜ける青い空のすがすがしさ、彼になら共感してもらえそうな話題を 離れていても伝えたくなるのがメールです。
若い人のように一日に何十回も送信するのではなく、ふとした瞬間に思いつくこと。それが気持ちよく跳ね返って来なくなる時、淋しさに襲われるのかもしれません。
ふと、携帯電話のなかった時代はどんな恋愛をしていたのか思い出します。当時は自宅に電話をしても親がいて、道を歩いていても、直ぐに伝えられずにいました。
今や電波の通じない場所はなく、返信のないこと、電話に出ないことは恋人達にとって大きな不安感になります。
ある晩、私は自宅に帰り着く前でしょうか。
その余りにも美しい妖艶な姿のオレンジ色の満月。
誰かに今、それをすぐに伝えたくなってしまうほど。
依頼人もあの晩、きっとそう感じたであろう素直な彼への愛する気持ちを思い出します。
恋人達の携帯電話は24時間、会えない時間だからこそ何かを感じていたく、目に見えない何かで強く繋がっています。
その昔、ある作家は自身が英語教師時代に ” I love you “ をこう翻訳しました。
「月がきれいですね」