アロンアルファ
2012年12月18日 カテゴリー:雑記
混み合う電車の中でいきなり胸に差し込むような強烈な痛みを覚える。
それは、しつこく続き、キリキリと痛みは止まらない。
50を目前、これはついぞもしや、あの心筋梗塞の前兆ではないかと。
落ち着こうと胸を押さえるとシャツの上に何か違和感が、はてと上から覗いてみると白いプラスティックのコーティングされた針金が胸に突き刺さっている。
男性ならば、それは一体何なのだ!!とお思いでしょう。
それはブラジャーの乳房を支える半円型のワイヤーで、通常ならばワイヤーはラインに沿って縫い付けられ、胸を安定させるものです。ワイヤーの両先には万が一の事故に際し、丸みのある小さなキャップがついている。
それが何かのはずみで吹き飛んたのか、初めからなかったのか?
鋭利な刃先となって丸っこい身体の私の胸の上をグサグサ突き刺している。
満員に近い特急電車の中。
引っ張り抜こうとするもワイヤーは湾曲になっているので途中でひっかかり派手なアクションを起こさないと外すことが出来ない。
一部飛び出したワイヤーは湾曲カーブがタイトになってしまい、じっとしていてもワイヤーはグサグサと私のお肉をいじめ続けます。
どんどんお肉にめり込んで行くのを15分辛抱。これはもう不運としかいいようがない。
電車が停車してから、すぐさまトイレでワイヤーを抜き去りました。
このような経験、女性なら一度はあるだろうと?念のため、周りの女性に聞いて回ると、
刺さったこと?
ないよ!
と。
そういえば、私はここぞと言うときに何か残念なことがおきます。
思い出します。
昨年5月、親友の住む仙台に行った時、早朝、東京駅構内を東北新幹線に向かい歩いていますと、サンダルの前の被せの部分がパックリと、もげてしまう。
付近のコンビ二にはアロンアルファが品切れ、広い東京駅構内のどこかに必ず置かれているであろうアロン化成を求めたかったのですが、いかんせん、もげた部分が部分だけに普通にまっすぐ歩くこともままならない。
ここは安定感を求めてガムテープでガッツリ補強しようかと思いましたが、久方の親友との震災直後の再会、足元をふざけた風情で会うことは避けたいところです。
当時は震災の影響で仙台の駅付近のコンビ二等、店舗は閉めているかもしれないと思い、悩みつつ、親友に福島駅通過あたりでメールでお願いしたことを思い出します。
「今、色々大変なところ、非常に申し訳ない、自宅からアロンアルファ1本持ってきて下さい!!」
その後、仙台駅で改札を出て再会をした時。
親友は黄色いあのアロンアルファを大きく振り上げながらやってきました。
ここで再会することの意味、久方の再会もさることながら、何故、アロンアルファがいるのか一切聞かず、わかってくれる友。
震災直後でありながら商談や人々の語らいで混み合う「メトロポリタンホテル仙台」
あの素敵なロビーラウンジ「シャルール」で、早速ヌリヌリしたことが昨日のようです。
当たり前の日常がなぜか突如、このような残念な危機をもたらしますが。
私はいつも明るく平常心を持っていたい。
そして、いずれまた、東北新幹線こまちに乗って、仙台へ、親友へ、会いに行きたい。
その際は入らぬ迷惑をかけぬようにとブラジャー、サンダル、その他に不備がないかどうか充分に確認をし伺うつもりです。