素行 妹の苦しみ
2012年10月01日 カテゴリー:調査記
一緒に住んでいなくても、どれだけ離れていたとしても家族と言うものはその苦しみの波動を感じることが出来るものなのでしょう。
調査のご相談や、ご依頼は家族やきょうだいからのこともあります。
妹が実家に帰省をした時、夫婦の姿を見てまた何かあったのだと感じました。
以前から妹の夫はギャンブルでの借金があったり、出会い系の女性と関係していたりと夫婦喧嘩が絶えないようで、妹も実家に帰ることも度々で、周りは、だったらもう離婚すればと突っ込んでいくと子供には優しいからと涙を流し帰っていくのです。
この生活はおかしいよ、普通ではないよ、とたしなめても、妹は小さな子供を抱えて一度も働いたことはありません。
そんな夫でも依存するしかなく、最近はお父さんが帰ってきたら子供達は、姿を見ると何かビクビクしているようで、落ち着きがなくなり、殴られるから、怒られないようにしていると聞かされるとその暮らしぶりの異常さに驚かされます。
もう大丈夫だからと言う妹に、何とかこの先の見えない苦しい生活から解き放し、妹の目を覚ましてあげたいと家族は思います。
悩んでいる者はある時から、親にもきょうだいにも親友にもあれだけ話していたことが、
その悩みの深淵を急に話さなくなることがあります。
それはもう話せないほどの胸中になっているからです。
親をもうこれ以上心配させないように、或いは何度打ち明けたところで解決策の見えない会話だと知るとそれすらも辛くなり、心の中にしまっていくようになります。
その妹は後姿だけ見ても淋しさが漂い、明らかに一人で何かを抱えこんでいている姿、もう実家にもやって来なくなり、電話の声も沈んでいきます。
このような依頼の場合、別に住むきょうだい、親族からだと中々、対象人物の行動パターンがわからないから調査が頼みにくいと思われるかもしれませんが、実際には妻でさえもわかっていない事が多いので余りご心配はありません。
むしろ、当事者である妻が一緒にいることで全てを深読みをしすぎてしまい、確証が掴みにくいこともあります。
私にも妹がいますが、どれだけ喧嘩をしても、美味しいものがあれば一緒に食べたい、面白いことがあると一番に伝え、心の底から笑ってくれる永遠に裏切らない仲間のようです。
もし、何かがあれば何をさておいても絶対に助けてやりたいと思い、流す涙も誰よりも痛みを感じるかもしれません。
姉である依頼人は妹には内緒で依頼し、その後、その不実な行いと不貞の確証を掴みました。それは時と場合により、内緒にしておくことも出来ますが、その内容を知ると伝えることが妹の幸せなのだと思います。
妹はその現実もわかっていながら、苦しみの余りの深さに麻痺していたのかもしれません。
知ることを恐れてはなりません。
取り返しのつかないような浮気であれば夫婦だけでなく、子供達、仕事の環境、取り巻く全てを狂わせていきます。
このようなご依頼でも、今後をふまえて最後には妹である方とお話をすることがあります。
初めはうろたえ、その気持ちはどこにも収めようがないほどショックを受けますが、一番自分が知りたかったことがわかることで以前の苦しみからは必ず解放されていきます。
この長きに亘っての夫の嘘が解かれたことで、ようやく眠りから覚めて、家族にきょうだいに心の内や本音を言えるようになります。
そして、この苦しみの深さを共有出来るのも他ならぬ家族だけなのでしょう。
悩みを聞いていると、つい、妹を思うが余りに厳しい意見を言ってしまい、妹は何もわかってくれていないと心を閉じます。
でも、これまで誰にも弱みを見せず我慢してきた妹も、姉の前だからこそ流すことが出来る、その涙は姉の心も震わせます。
きょうだいからのご依頼は、本人以上に同じように悩みながら、何とか笑顔を取り戻してあげたいと、心の底からそう願うものです。