身上 お見合いパーティの彼女
2012年9月30日 カテゴリー:調査記
依頼人は40代男性。
あるお見合いパーティで知り合った相手女性も同じような年齢で、交際して半年ほどになるという。
職場の環境、年老いつつある両親。
結婚への意識はそれぞれでも、その出会いをもって、強く高まる時があるものです。
結婚相談所に登録していた依頼人は週末お見合いパーティに行くことがルーティンワークのように組み込まれることに疲れ始めたのかもしれません。
そんな中でも、縁があって、生き様の違う男女が出会い、同じ時間を過ごして行くこと。
たとえ小さなズレや喧嘩があったとしても皆、そうやって恋愛を過ごしていくものです。
ただ、腑に落ちないことは、彼女が自宅を教えてくれないことだという。
それは淑女のたしなみなのかもしれませんが、親しい間柄になってもシャットアウトされることは、男として信用されていないのかと思ってしまいます。
いつも彼女を降ろす駅で帰る道中、彼女が別の車に乗っていくのを偶然見ました。
その後、資格を取る学校の費用が足りないのでお金を都合してもらえないかと。
その詳細は、はっきりとは話してくれませんでした。
誰が聞いても不自然な流れなのですが、恋愛時代とは、相手と目を見て、手を握り合う。
今一緒にいる彼にとっては、愛情深くなってしまい、全てを話して欲しい訳ではなく、何か事情があるならば助けてやりたいと思うのが男心です。
ただ、やはり偶然見たその車は若い男性が乗るような車で、デートをしていても、携帯ばかりいじっている彼女に対して不信感はつのります。
この上手くコントロール出来ない恋愛でさえも、気持ちは高まり、仕事の激務を乗り越えられるのも、彼女の笑顔に救われているのでした。
結婚を考えているので、金銭事情も含めて、彼女の詳細を知った上で本当に力になってあげたいという。
調査の結果は、彼女にお金を貸してはいけない と先ず伝えなければなりませんでした。
マンションにはすでに長く同棲する無職の彼氏がいて、その暮らしぶりは穏やかというわけではなく、あちこちで金銭のトラブルが発生していました。
人間は騙されていると知りながら、騙されていることもあります。それは愛情が勝ってしまいノーと言えなくなってしまうのでしょうか。
そう。わかっていながらも、気の病とは深いもので、疑惑はある時から大きな妄想をさせてしまい、心を、身体を支配していきます。
「自分はどれだけ仕事が充実しても、それを一緒に喜んでくれる相手はいなくて、
まだ人生のスタートラインにすら立っていないんです。」
スタートラインとは結婚を意味することで、その経験のない方からすると結婚をすることで人生が大きな意味のあるものへと思われるのだろう。
真面目に生きて、ご両親を大切にされる依頼人を思うと心に突き刺さる言葉だった。
最後まで優しい依頼人でした。真実を知る勇気のある人は、落ち着かれると全ての女性がこんな人ばかりではないと言う私の話にじっくりと耳を傾けられていかれる。
依頼人は辛い経験をされたが、けしてこれで女性不信になど陥ることはなく、尚一層、人生のパートナーを求めてやまない。
たとえば、自宅から一歩も出ない日々を過ごしていたとしても、
苦しい恋愛ばかり続いていたとしても。
人を思う、人が恋しい、誰かと一緒にいたい。
そう考え始めた時からスタートラインへと、既に自分は全速力で走り始めているのだと
そう気づいてほしい。