依頼人からの近況報告
2012年9月08日 カテゴリー:雑記
絵文字入りのその元気なメール。
お元気ですか?いつもブログを読んでいます。自分のケースもかまわないので何かの参考になるでしょうから、ブログに是非書いてほしいと。
時々、かつての依頼人の方から携帯にメールが入ります。
調査が終わられ、悩みも解決して、落ち着かれた明るい様子の近況報告は相談員として一番嬉しいメールです。
人生に一度きりの調査依頼をした方は心にとめて下さるのか、何かの折につけ、一報を下さる方もいます。私の方からは一切連絡はしませんので、落ち着かれた日々の中、ふと当社のブログを読まれて、今も変わらぬ私の近況を知られるようです。
本来なら、誰も興味を持たないだろう私の日常や、依頼する時には気づかなかった調査員方とのエピソードにも関心を持たれるようになる。
また、同じように悩まれる方の身上も深く読み取られるようです。
どのブログを読んでも、まるで自分のことが書かれているかのように思われるようで、調査記は直近の方ではなく過去を振り返って、15年程前のお話がほとんどです。
ブログでは書ききれない、その長きに亘る依頼人の苦悩や調査の流れ、それを受ける私共の日常も楽しいばかりではなく、簡単に言葉に現せません。
相談者の方にきっと何か参考になるだろうと思う事案も多くありますが、どれだけ依頼人からお願いされても、そのエピソード一つ、対象人にも、関わる関係者にも大切なプライバシーがあるので具体的には書けないのです。
ただ、私の心のノートには深く記され、分厚い書物となって、索引が付けられていているかのようです。この貴重な経験で、どんなお話をされても、たじろがずしっかと受け止められるようになったのは相談者・依頼人の方が信頼を下さったからです。
そして、15年経っても悩まれる方の心情や考え方、依頼するまでの時間の流れも現在と全く同じなのだと知ります。
無料相談と言えども、相談者の多くは親、きょうだい、親友にも話せない方が多く、一体何からどう話せばいいのかと混乱されるようです。
そして、決まって言われることは「他の方はどうやって解決されたのでしょうか?」
自分の中で問題が起きているのに、もはや自分で考えることが出来なくなっているのです。
かつての依頼人とのカフェでのおしゃべりは、たわいもないことばかり。
こんなにも素敵な笑顔の女性だったのかと。
人を深く悩まさせることは風貌や言動、全てを変えさせてしまうものです。
女性として自信を持たれ、他者にも、小さなことにも、優しくなれるようになっていくこと。
その変化を知るとメールだけでなく顔を見て話すということの意味を教えてくれます。
15年前。
入社して直ぐに親子の生き別れの所在調査をお受けしましたが、難易度が非常に高く、見つからなければ依頼人がもっと悲しまれるのではないか。
その頃はまだ私は依頼人と対峙が出来ず苦しくて、中間報告で依頼人と会えば涙。
そして判明して、また涙。
調査員の方の苦労も知り、この涙を分かち合えるのも依頼人の過去を深く聞かせていただけた相談員だけなのだと。
そして、未だ、この仕事は私の涙の壷は涸れず、時を経て、必ず笑顔もたくさん見せてくれます。
この笑顔があるからこそ、私は文字だけでは伝えきれない思いの全ては、いつの日かお会いすることで、きっと伝えきれるのではないかと思って仕事をしています。