志茂田景樹のツイッター
2012年8月30日 カテゴリー:雑記
若者を中心に13万人のフォロワーを持つ、彼のツイッターでの人生相談が人気を呼んでいるという。直木賞作家でもある 志茂田景樹氏 72歳。
当時のメディアでの登場の仕方では、一体彼がどこに向かっているのか、どんな思考回路の方なのかつかめず、私は誤解をしていたのかもしれない。しかし、失礼ながら極めて普通の感覚を持ち合わせた、心に染み入るような優しさと謙虚さを持った大人の男性だったことを知る。
その、ほとんどは20代だろうか?
「誰からも必要とされていない」と悩むフォロワーには、
「あなたを必要とする人は今は見えないだけ。ちゃんと待ってるの。あなたが前を向いて歩いてくるのをね。解るね」
「今すぐ死にたいです」と悩む者には、その苦しみの深さを知るためにじっくりお話を聞かなければ、簡単には答えることが出来ないのですが。
「急がなくても死はいつか向こうから、ただでやってくれる。それまで生きなきゃ損だしそれが努めなの。苦楽も気楽も含めて色々あるから生きられる。心の縛りを解いてもっと自分をほっといてやろうね」と。
或いは。
「死へ向かって歩いて あるのは無明の闇だけです。Uターンして歩けば希望が点ります。
人は生へ向かうにしたがい生命力を大きくしていきます」
続いて。
「不幸は周りからもそれとよく解る。でも幸福と感じるのはそれぞれ異なり、しかもそれが語ることが少ないためである」
彼は弁護士事務所に就職した後、探偵、新聞記者、保険調査員と20種以上の職業を転々とし、異端児とされた苦しい経験もしたからこそ、70を過ぎても変わらぬ自由で、そのブレない生き方に何か魅力を感じてしまうのかもしれない。
人の悩みは自分の悩みではないので、親身に相談にのっても相手をより一層悩ませてもしまうこともあります。どんな悩みにも否定せず、受け入れることは同じように傷ついた経験があったからでしょうか。限りなく優しい眼差し、何を言われても攻撃的にならない話し方、穏やかな哲学者のような言葉に悩める人達の心に強く響き癒されているようです。
近影でも変わらずレインボーカラーに染められたヘヤースタイルと独自の突き抜けたファッションセンスは今も健在である。
ところで、あのハイソックスは一体どこで買われているのだろう。
最近のいじめについての新聞社でのインタビューでも、ピンクの重ね着ランニングシャツ、白のピチピチパンツ、ブルーのハイソックスのお姿が確認される。
また、ウェブ上で自身が書かれた絵本の読み聞かせ劇場もされていている。
私が一番聞きたかった「不倫についてどう思うかについて」に彼の答えは。
「そういう関係になる前には愚かに憧れ、なってからは無責任に耽溺し、終わってから本気だったと美化しながら傷の深さに悩みます」
過ちを問うのではなく、実に心に染み入る正直な気持ちを伝えています。