主婦だった頃の私
2012年8月25日 カテゴリー:雑記
帰宅途中、母から卵1パック買ってきてほしいとメールが入る。
スーパーで98円で売られていたので、2パック購入しておく。
母は即座に卵を見るなり、落胆し冷蔵庫に1個だけ残されたLサイズの卵を差し出して、
購入した98円は約半分のサイズしかない、ならば普通にLサイズ168円の方を選んだ方がお得感があったのにと。
途中下車をしてまで、わざわざスーパーに立ち寄ったのに、このようなダメ出しのお叱りを受けても私は全く嫌な気持ちにはならない。
それはきっと、日々この小さな金額の積み重ねの世界の中だけで生きている母の気持ちを知り、かつて主婦だった頃の自分も思い出す。
当時、私はフルタイムのパートを終えると電車の中で、冷蔵庫の中身を思い出す。その日のスーパーの特売品、明日の弁当のおかず、昨夜の残りのおかず、冷蔵庫の野菜。無駄なく使えるようにと頭の中は回転し始める。
自宅の最寄り駅に着く頃には、それら全てが頭の中で整理をされて、今夜のメニューが決まっていく。スーパーの入り口に入った瞬間、店内を要領よくスピーディーにまわり、レジでも、毎回ほぼ正確な金額をすぐに出せるほどになる。
これがほぼ毎日。休日ともなると3食に近い食事を作り続けることも、時には簡単にすませることも無論ある。
ただ、一番気をつけなくてはいけないことは食費というものは、かければかけるほど贅沢な一品にもなるが、普通の家庭料理とはいかに無駄を抑えて、日々飽くことなく作れるかに尽きる。
自宅近辺には大型スーパー、業務スーパー、市場、それぞれのお店には自慢の品や特色があり、これらのお店の底値を比べつつ、うまく利用するには日々の根ざした生活と主婦仲間との情報収集が必要でもあった。
新聞のチラシを見ると、朝市のタイムサービスで野菜が全て100円販売とある。
自宅から3キロの道のりを自転車を走らせて行くも、子沢山の家庭は一家総出で何度も並び、山のように買い占めている。
本当に主婦の世界と言うものはリアルな日本経済をあらわしてくれる。
夫側からすると、毎日、創意工夫した料理など食べていないぞと言われる方もいるかもしれませんが、365日胃袋を満たすには、買い物に出られない天候や体調のすぐれない時も予測して備蓄も必要で、もう何もアイディアが浮かばない日もあり、とんちんかんなメニューになることも、今夜はカレーの口ではなかったとしても、やむなくカレーになることも・・・。
主婦はどれだけ努力しても、家族からは余り称賛の少ない日常を過ごしています。
夕方、スーパーで、せかされるように買い物をしている疲れている女性達を見ると私は何か懐かしい気持ちになる。
時間に追われて、取り合えず今夜はインスタントな食材であっても、桃を一盛り買われているのを見ると何かほほえましい。
思わず、その女性の家族を代表して、
いつもお疲れ様です
いつも美味しいお食事ありがとう
しんどい時は適当でもいいですからね
と。
そう伝えてあげたい。
忙しい渦の中に巻き込まれて、余裕など全くないのかもしれません。
でも、それを一緒に食べてくれる家族がいること。
気がついてはいないでしょうが、今、あなたは女性として一番輝かしい時代の中にいるのです。
思わずそう伝えたくなってしまうのは何故だろう。