身上 離婚した相手女性
2012年5月25日 カテゴリー:調査記
夫はその女性とは数年の関係かと思います。
驚きました。相手女性は、てっきり水商売関係の女性かと思っていましたから。
よもや、自分もよく知る夫と同じ同業者とは思いませんでした。
確か女性は結婚していました。
女性とは仕事を通じて私と何度も話をしたことがあります。
最近、噂で女性が離婚したと聞いて、そのあたりが気になって仕方ありません。
この女性との関係さえなければ、夫は仕事一筋、長年の商売は安定していて
何ら文句のつけようもなく、家族には優しい夫です。
夫は多分、女性の離婚相談にでも乗っていて深い関係に入ったのではないかと。
何故なら、以前にこの女性から離婚の相談を受けていると聞いたことがあったからです。
男女の仲はある日突然、何かのきかっけで一気に接近するようです。
悪気のない準備などされていない、その運命のような時間。
実は以前から知っていた人と関係すると言うのが多いからです。
そんな風になるとは思ってもいませんでした。
二人でいるところを見ても全く男女の仲には見えなかったのです。
素行調査で、その女性と昼食をしていると連絡が入っても、ただ仕事絡みで
食事でもしているのだろうと、そう思っていましたが、やはり違っていたんですね。
このまま何もなかったようには振舞うことなどは出来ません。
何故なら、女性が最近離婚したことが調査でわかった以上は、一度きっちり両者交えて
話し合いをしようかと思います。
家庭を失ったばかりの女性は、虚無感と孤独の時間を過ごしていることが多く
その関係にますます依存していくこともあります。
以前よりもっと自由な時間で、いつ何時でも密会するようになって行くのです。
夫には一体どういう気持ちで長年にわたって女性と関係をしているのか?
女性に対しても一体これからどうするつもりなのかと顔を見て問いたい。
よもや、その離婚は夫が原因ではなかったのかと。
その商売を続けながらの結婚生活。
倒産の危機を超え、商売とは一時足りとも油断出来ない環境の暮らしです。
あっという間に数十年が流れ、ようやく夫婦の時間を作ろうと意識した時でした。
結末は、どんな時もいつも依頼人が決められものです。
依頼人に報告書を持参する最後のお話をする時間は
時に涙、時に笑い合い、時にしばし沈黙。
その時間を一緒に過ごします。
初めてお会いした時は果たして現実を受け止めることが大丈夫だろうかと。
心配が尽きないのですが、しっかりと結末をつけられるその姿を見ると
女性が持つ本来の強さと、そんな辛い状況でも私共に感謝の言葉を下さること。
相談員という仕事が、精神的には楽ではない事がどれだけあったとしても。
見失うことなく続けて来れたことを誇りに思える。
そんな時間をいただいてもいます。
調査をしてから数年経ち、
帰宅中の電車の中、地方版の記事を読み、今も夫と商売をされていることを知りました。
写真の妻の笑顔は暖かさと人柄が滲み出て、最後のあの日とは全く違う姿でした。
その笑顔の意味は葛藤を越えた人にしかわからない。
過去の依頼人の予告なしの嬉しい登場は、私を電車の中でしばし泣かせます。