浮気 妻の日記
2012年5月22日 カテゴリー:調査記
読書家の妻です。
妻のベットサイドの小さな棚には、いつも読みかけの本が数冊置かれている。
お互い面白い本を見つけると交換しあったりしていました。
最近はどんな本を読んでいるのだろうと、ふと棚に目をやった時。
その奥に隠された日記を見つけたという。
それを読むまでは妻が浮気をしているとは全く気がつきませんでした。
仕事を持って社交的な妻です。
仕事仲間、趣味のサークルの友人等と出かけることは多くありました。
ただ、家の家事も完璧にしてくれているので何も心配などしていませんでした。
自分は仕事が忙しく余りかまってやれない。
でも妻は家庭だけではない部分で人生を楽しんでくれている。
そんな姿は夫として嬉しくも思える姿でした。
その日記は元に戻しました。
余りのショックで、それを問い詰めることも出来ませんでした。
それ以降、その日記はどこを探しても見当たらなかったという。
日記は何かファンタジー的な詩のようなことが書かれているだけで、
イメージする男性が浮かんでこない。
これは読書好きな妻の願望のような夢の日記でも書いているのかもしれないと。
ただ、知ってしまったからには、妻が出かけるたびに疑心暗鬼になってしまいます。
全てが平穏で何も不信に思わない時に、思わぬ何かを突然見せられること。
一体どうしたらいいのかわからなくなります。
全ての調査に言えることですが、長い時間、葛藤を抱えながら依頼に至ります。
出来れば調査をすることは考えたくないという気持ちが当然でしょう。
でも、何が起きているのか知らなければ気持ちの持ちようがわからない。
ペンを持って一人静かにノートに記す時間を持つこと。
それは、何か想うことが溢れ出て止めることがどうしても出来ない。
その多くは恋愛感情から来るもので、そんな自分の気持ちを何度も何度も
確かめていることが多いものです。
日記に書かれていることは、ひと時の夢でもあり、現実を現してもいるものです。
日記と言えば今やブログですが、15年前は今ほどインターネットは
一般的には盛んではなく、ブログなどもありませんでした。
妻の日記から浮気が発覚したという依頼はこの時代多くありました。
今やメールで瞬時に相手に気持ちを伝えることが可能となって、
気持ちを溜め込むことなく、一方的に気持ちをぶつけることも出来ます。
メールは手紙ではなく日記に近い部分もあるのかもしれません。
ただ、鍵の付いた古風な日記帳は未だに売られています。
そんな時、ふと手にとって、いつも思います。
一体どんな人が、何を書いているのだろうと。
あれから15年も経っているというのに、まるでそれが昨日のことのように思い出され
依頼人のあの日の苦悩が蘇ってくるのでした。