バナナ
2012年4月13日 カテゴリー:雑記
道を歩いていて、バナナの皮で滑ったことがある方はどれ位いるだろうか。
私は20代、30代と2回あります。
あれは神戸元町で勤めていた頃、ランチの時間でした。
元町商店街、裏筋にオープンした自然食品のカフェに入ろうとした時でした。
気が付くと、私は見るも無残な姿、お尻丸出しで倒れました。
元町商店街はランチの時間、多くの人がその不様な姿を見られました。
驚くことにバナナの皮の滑りがあれほど激しいとは思いませんでした。
まるで漫才のコントのように派手に足が取られること。
道にバナナの皮が漫画のように落ちていることも信じられません。
それに気が付かずにいる自分もです。
しかも、30代に入ってこれまた同じような状況で大きくすっころびました。
この時は小さな路地裏だったのでギャラリーは誰もおらず、
20代の時のような派手さはなく何もなかったように立ち上がることが出来ました。
当時21歳だった私が働いていたのはアパレル関係の小さな会社でした。
モノは作れば売れる時代で活気にあふれていました。
どれだけ、はっちゃけていても仕事の出来る魅力的な上司や、ファッションだけでなく何かライフスタイルのセンスがいい先輩達。
当時は男性全員が机上でタバコを吸いながら、昨日あった面白い事柄を笑い合い、時に大声で怒鳴られ、仕事のミスで大泣きしながらも見捨てられず仕事のやり方や行儀作法、仕事だけではない人間関係の作り方など。懇切丁寧に教えていただきました。
元町商店街でのバナナ事件は、当時7センチのヒールを履いていたこともあり、足をくじいたらしく、起き上がるのに難儀していたところ。
大声で笑い、腹をよじりながら上司が駆け寄りました。
私は出来ればこのまま早退することを考えるほど心がつぶれました。
上司は優しく慰めながらランチを奢って下さいましたが、激しく裂けてしまったタイトスカートを眺めながら何かもっとそう・・笑い転げたい気持ち満々です。
そうです。
飲み会の席、仕事中の暇な時間、結婚退社するまで。
私がどんな風にすっころんだか?
すました顔で歩いている姿からロッキーのように立ち上がるまで。
パンツの柄などを、これまた懇切丁寧に・・・。
取引先の方に、新しい新人にオーバーアクションで話を盛っていきます。
この上司は後に独立してブランドを立ち上げられました。
現在も年賀状のやり取り等をさせて頂いています。
機会があれば人生の大先輩としてお会いすることもあります。
しかし、根が楽しい方なのか?
しつこいのか?
よほど脳裏から消えないのか?
賀状や季節のお葉書に、必ず黄色のマジックで小さなバナナのマークが一つ。
暗号のように書かれています。
人間まっすぐ歩くだけではいけないようです。
2度あることは3度ある、とも言います。
今年は40代最後を迎えます。
いつもの道だからと油断せず注意深く視線を落としながら
いつ何時と迫り来る危機に対応出来るようにしなければならないと。
かつての上司からの暗号めいたバナナマーク。
今だに何かご心配されているのでしょうか?
人生の教示を示されているのだろうか。
それを見る度に有難く素直に過去を振り返らせていただいています。
もちろん今の職場でも伝説になろうという逸話も作ってしまいました。