最後から2番目の恋
2012年3月30日 カテゴリー:雑記
そのドラマのタイトルに惹かれました。
40代以上の人なら共感するところがあったかもしれません。
都会で働き、成功しているものの何か満たされない独身のキャリアウーマン。
鎌倉の古民家に移り住み、隣に住む一家と関わることでこのストーリーは始まります。
小泉今日子の日常のファッションの何とも大人可愛いこと。
都会で働いて鎌倉に住むというおしゃれ感。
大人の女子会はいつもトレンド感のあるディナーです。
やはり、このドラマはどうでもいいような恋愛を織り交ぜて、
適当にグルメ・ファッションも取り入れる。
そんなつまらないドラマかと思いきや、数回逃したものの、なかなか面白かったです。
やはり、舞台である鎌倉という町並みが持つ、しっくりくる落ち着き感は非常に大きい。
また、中盤必ず始まるアラフォー女子会は、バブル時代を匂わす本音恋愛トーク。
でも、アラフォーの人達からすると、実際はこんなに悲観的ではないとも言われそうですね。
中井貴一、すてきな大人の役者です。
ピリリとした清潔感と変わらぬ髪形。
あの糸の様な目で静かに話し出されると暖かい感じに包まれます。
小泉今日子も自然体で物憂げな表情でタバコを吸っているシーン。
役者は動の時よりも静の時のどんな表情を見せるのか?が気になります。
自分の経験したことや歴史が積み上げられて、それをうまく乗り越えられた頃にようやくいい表現者になっていくのだろうと思います。
そのラストは誰かと誰かをくっつけたりすることもなく、誰かの命が消えることもありませんでした。
そして、中井貴一といつものバトルを繰り広げ、次への余韻を残し、いつも流れるモノクロームの写真でこのドラマは終わりました。
家族それぞれが持つ孤独感を捉え続け、最後には実はしっかりと繋がっている。
恋愛だけではない家族のストーリーだったような気がします。
乾いた声がこれまた味になりつつある小泉今日子。
しっとりと最後に恋に迷う人達に静かに語りはじめます。
「人生の終わりは誰とも分かち合えない。だから楽しい時には思いっきり笑いたい。
悲しいときには思いっきり泣きたい。どちらも大切な時間だから。
寂しさを埋めるために恋をするのはやめよう。
月並みな言葉だけれどちゃんと生きてることが一番大事なんだと思う。
人生って自分の未来に恋することかもしれない。
自分の未来に恋していれば、きっと楽しく生きていける。
もし、これから誰かと恋をするとしたら、最後の恋だと思うのはやめよう。
次の恋は最後から2番目の恋だ。その方が人生はファンキーだ。」
このセリフの意味は少なくとも40代を越えなければわからない。
どれだけ華やかにみえても、一番人生で辛いことは孤独なのかもしれません。
誰かと繋がっていたいという気持ちは誰にでもありますが、ある年齢を境に自分にはもう可能性がないのではないかと気がつくことがあります。
これだけネットでの交流は盛んにある時代であっても
本音で付き合える人がどれだけいるのかと思うと何か余計寂しくなりますね。
でも大丈夫です。
その孤独は必ず自分を大きく成長させてくれます。
孤独を知らない人は誰かと永遠に一緒に過ごすことなど出来ません。
人生は難解なジグゾーパズルに挑んでいるかのようです。
時間はかかりますが、人生を真面目に必死で生き続けていると、その一枚はある日突然 パチッと当てはまる人と出会えます。
そう信じてファンキーにいきたいものです。