探偵はバーにいる。
2012年1月27日 カテゴリー:雑記
その若き探偵達の姿。
派手な服装、おしゃれすぎるいでたち。
街中を騒ぎながら尾行する姿は、実際は先ず有り得ないものです。
しかし、45分の中でドラマチックに且つ、視聴率をあげるためには仕方ありません。
このようなスタイルで探偵は仕事しているのだと一部、普通の方は思っているのかもしれませんが、探偵は先ず目立たないことが一番なので、風貌も重要な要素になります。
かつて身長が非常に高いことで探偵になるのを断念された人もいるほど、目立ってはいけません。
対象人だけでなく、周りの人からの不審感を持たれること。
人間は無意識に3秒で相手の顔を認識できるので、印象に残りすぎる顔ではインプットされた顔が何度も視界に入り、不審に思い始めます。
キャリアの長い者は余り多くを語りませんので現場も静かなようです。長年、チームを組んでいるのでアイコンタクト、以心伝心というものもあるかもしれません。
たまに、依頼者が変装するんですか?
長時間の張込みの食事はアンパンかじってるんですか!
未だに映画、テレビ、雑誌からの影響は強く、至極ドラマチックに想像されるようです。
当社の調査の方は探偵歴が長いので、ここには書けない経験もあるようですが、
とりあえず、地味で視神経を酷使し、体調管理を必要とする職業です。
しかし、意外と街中に探偵はいるもので、私は偶然2回ほど遭遇しました。
それは普通の方ならば絶対わからないと思います。
服装、持ち物、靴、立ち位置、電話での話し方、近くにいるであろう仲間の匂い。そして物腰、風貌。
何より、時折確認する視線の先にあるもの。
当社の調査員達はしょっちゅう目にすると言っています。何やら同業者のニオイが分かるようです。
尾行が終われば事務所に戻り、翌日の朝に依頼人に報告するための報告書の準備。
一日、何も口に入れてなかったので、深夜食事に行こうかと思いながらも、それも疲れ果てカップスープでお腹を満たし家路に着きます。
時間があれば子供との時間、家庭の時間を優先させ、残りの時間は同じ職業の仲間との時間。
いたって普通の方が過ごされる時間と変わりはありません。
出来ればおしゃれに、スマートに、エキサイティングな現場であればいいのですが・・。
それはドラマの世界だけであって、人生の一大事を決意させる依頼人の背景等は深く描かれてはいません。
現実は日夜、失敗が許されない現場であり、こちらも真剣勝負で挑みます。
とりあえず、
当社の探偵はバーにおりません。