初めてのご相談
2011年12月27日 カテゴリー:調査記
相談者の方と初めてお会いする時。
皆さん、非常に緊張されるようです。
会社に信頼をいただけるかと強く事務所への来社をお薦めしますが、ほとんどの方は外で会われることを希望されます。
悩みが深くなると電車を乗り継いで、街に出歩くことや人込みに出ることが出来にくくなり、ひきこもりがちとなっていきます。
改札の柱の陰で今にも倒れそうに立っている方もおられます。
家から一歩出て。
全く知らない人に顔を見せて、身の上を話すということは、相談者にとっては大変勇気のいることです。
ギリギリのところの気持でやってくるわけですから。
慣れ親しんだ町や、ご自宅近辺の最寄駅でお会いすることが最も多いパターンです。
初めてお会いするため、お電話で多少の事情のお話をお聞きしています。
お互いの服装や特徴を伝えあって、万が一に備え、携帯電話もお伝えしています。例え交通事情で5分遅れるだけでも待っている相談者にとっては、不安になるもので、なるべく早めに約束の場所に到着しています。
その初めての、出会いは一生心に残るものもあります。
小さな町で生まれ育った女性。
背後に海を見て、潮の香りに包まれながら、どんなことがあっても、この小さな町でしか生きられない依頼人の哀しみを知り、その美しい夕日が沈むまでお話したこと。
長距離トラックの運転手の男性。
仕事の時間が読めず、車も停めれないため指定された沿道でトラックがやって来るのを待ち続け、車中でお話しました。
その男性と慌ただしく契約を済ませ、今から関東へ向かいますと言ったトラックを見送った時は、依頼内容もさることながら、常に過酷な環境で仕事をしている姿。どんな気持で深夜、高速を長時間走っているのかと思うと、なんとしても解決しようと思ったのでした。
入院されている病院まで伺ったこともあります。
よもや、周りの方は病院のロビーで調査会社のものが契約しているとは
思わなかったでしょう。静寂な空気に包まれたロビーでお聞きしたお話は
詐欺の事案でした。
地方へ行く時。
都会とは違って町の全ての方が知り合いという場合も多く、人目が気になる方にはスーツを着用せず平服で伺うこともあります。
男性の場合は車中でも助手席には座らず、誰かに声をかけられても、あくまで保険の外交員のように装っていたりすることもあります。
お話する場所も重要です。
小さな喫茶店を避け、国道にあるファミレスでも座席の位置にもこだわり、
ホテルの喫茶室でも、間違っても調査会社とわからないように振る舞います。
書類は広げず、常に周りの客に配慮しながら、大きな声で話さないようにしています。
おのずと、私はささやくように話す癖になってしまい、声は小さいほうかもしれません。
勇気を振り絞ってやって来られる相談者の方に対しては、一期一会。
例え、契約にすすまなくとも気持が晴れるのであれば、その勇気を称え、笑顔でお別れしたいと思っています。
そして、信頼を頂ければ、お願いしてよかったと言われるようにありたいと。
この初めての出会いは相談員として15年たった今も、気持が寄り添う瞬間でもあります。
どうか、ためらわずにご相談下さい。