家出息子
2011年11月25日 カテゴリー:調査記
一緒に住んでいても、子供がどんな仕事をしていて、誰とどんな風に交際しているのかは、両親も理解していない場合があります。
最近は友人関係なども顔の見えない携帯電話のみでやりとりされる事が多くなって人間関係が本当に希薄になっています。
20代の息子は仕事も随分前に退職。
朝、普通の出勤時間に外出し、いつも通り帰宅するので全く気がつかなかったという。
家出してから息子宛に借金の督促状が数枚送達されて、ようやく両親は息子の知らない姿に驚かされます。
両親は、息子は真面目で金銭的にしっかりしていたのに、これは何か悪い人物と関わっているのではないかと依頼されました。
息子20代。依頼者50代両親。
携帯電話だけ持ち、ほとんど何も持たず自宅を出ました。
携帯電話は繋がるが、電話には出ない。
数日たって連絡が入り、
「しばらく帰れないから・・」だけ言い残して切れたそうです。
若い男性の場合、女性が絡んでいれば別ですが、
人生経験が乏しくお金もないので自宅から大きく離れた場所への移動は少ないです。普段自分が行動しているプレイゾーンを徘徊していたりします。
息子の友人関係、趣味嗜好を徹底的に洗い出します。
息子はまるで精気を失ったかのような顔でゲームセンターで
対戦ゲームをしていました。
その後ろ姿は泣いているようにも見えました。
ゲームセンター近くのネットカフェに連日宿泊していることも判明。
やはり、思わしくない友人から、怪しげなマルチビジネスに引き込まれ
借金がかさんでいったようです。
依頼者に発見を連絡すると、慣れない歓楽街の人込みをかき分けながら
今にも泣きそうな顔でやってきました。
このような内容の家出は早く発見しないと、怪しげな人物にもっと依存する形になっていきます。
借金を返すために最近ならば振込み詐欺など、危ないことにもやむを得ず
関わるようになっていきます。
家出はその原因を突き止めないことには、何度も繰り返します。
本当は帰りたいのに帰れない・・見つかったら家に帰ろう・・
という心境はどんな複雑な理由があっても調査対象人は必ず持っています。
明日はどうして一日を過ごそうかと毎夜、苦しみながら家族のことを思ってもいるのです。
ゲームセンターで母を見た息子の顔は忘れることは出来ません。
一瞬、そう・・・・まるで小さな子供のような何か安心した表情になっていたからです。
今はようやく全てが落ち着かれ、過去を反省しながら
親、きょうだいに怒られながらも今を頑張って生きています。
家族は一番の味方です。
どんなことがあろうとも。