深夜の電話
2011年3月24日 カテゴリー:雑記
調査会社には時に相談者ではない方からの電話もかかってきます。
長年、相談電話を受けてきた経験上、それが間違いなくイタズラ電話だと瞬時にわかります。
声から発せられるムードが悩んでなどいないからです。
話の道筋がたっていないので、こちらもつっこみます。
終始、薄ら笑いで下ネタに持っていこうと必死です。
この様な人物は、時間をあけて再度かけてきます。
本人は他社にも電話をかけすぎてストーリーがわからなくなっているのでしょうか?
今回は別のバージョンで熱く語りはじめます。
何が、きっかけで調査会社にイタズラ電話をかけるようになったのかわかりませんが女性が親身になって聞くことに何かしらの快感があるのでしょうか?
本当に悩んでいる方は電話を受けた第一声から、こちらに緊張感が痛いほど伝わってきます。
悩み苦しみ続け、生まれて初めて調査会社に勇気を振り絞って電話をかけているわけです。何を話していいのかわからないほど動揺されています。
以前、相談電話中に、かけてきた方がずっと嗚咽し号泣されているので私はすぐに面談先を決め、どんな相談で、どんな方なのかも一切聞かなかったので果たしてやってくるかどうかと思いましたが、約束した時間に駅の改札の柱の影で今にも倒れそうになっている姿を見つけました。
実際に死にたいくらい哀しい気持ちになっている相談者のお話はたとえ、うまくしゃべることが出来なくても大丈夫です。
こちらのアプローチに答えてくださるだけで結構です。
全て受け止められます。
今、困っている人達に何かをしたいという人達が多くいる中、家族や愛する人を失うことがどれだけ辛いことなのか・・。
それをネタにするなどとは実に哀しい人達でもあります。
ただ、心無い電話の主も、きっと満たされない現実があるのだろうと思うと不思議と怒りもさほど感じられず、静かに電話を切ります。
そして、窓をあけて部屋の空気を入れかえ、じっと夜空を眺めます。
漆黒の闇に光る夜空はなんて美しいのだと。
どうかその空を眺める人達に安らげる日がきますようにと。