相談員の仕事
2015年8月11日 カテゴリー:雑記
私は依頼人との出会いは運命のようだと思っています。
ネット上にあふれる調査会社の中から連絡を下さり弊社を選んでくれることはある意味、奇跡的な出会いかもしれません。
そして、悩んでいる人は当然の如く、混乱の中やって来る方の中には既に修羅場となっているケースも多く、受ける調査の難易度も非常に高く一筋縄にはいかないものです。
一部には簡単に軽い感覚で調査を思われている方もいて、複雑に絡み合った糸が調査を行うことで余計にもつれるとわかれば、その内容からお断りしなければならない相談内容も多くなりました。
相談員の仕事はまさしく話を聞くことから始まるもので、依頼目的、これまでの経緯、対象人物の情報、結果が判明したらどうするのか、話は過去にさかのぼり、時間の許すかぎり話を聞かせていただいています。
私自身人生の半分以上を過ぎた今、探偵という職業が通過点の職業ではなく、仕事とはいえ知らぬ間に身体を覆いつくすほどの難事が365日往来することで、確実に血となり肉となって、止まることなくここまでやってこれたのかもしれません。
依頼人の悩みは時代の変化と共に少しづつ変わってきましたが、ベースにあるもの骨幹のようなものは何も変わっていません。
ただ会いたい、ただ知りたい、ただ伝えたいと思う人達でしかなく、様々なその悩みの中で心の中をさらけ出していきます。
その秘密は秘めたる花のようなものではなく、かなしく、切なく、心を見せる相手もなく、数奇な運命のストーリーを持つ方も多くいて、私にとって忘れられない依頼人の方も多くいます。
仕事は毎回、難解なパズルを突き付けられているかのようですが、最後の一枚をピッタリと合わせられた時、この職業の持つ醍醐味と依頼人のこれからの道行を指し示すことが出来ることで、ようやく眠ることが出来ます。
私は依頼人の涙や、苦悩する調査員の流れる汗の中で生きています。至って普通の人間なので、万全を尽くしているつもりでも、まだまだ足らぬ努力と至らぬことなどあるかもしれません。
日々、反省と感謝を思いながら、奇跡的とも思える出会いで知りあった依頼人の方とのお付き合いで仕事の経験値が積まれていきます。
有難うございます。
離婚を考えながらふと見た新聞の求人に「お話を聞く仕事です。経験不問。」そう書かれていた職業が調査業とはわからず面接で初めて知り、早17年を過ぎようとしています。