素行 ①調査に必要なもの
2015年7月21日 カテゴリー:調査記
依頼人の自宅に伺った時、リビングのサイドボードの上にあふれるように写真立てが飾ってあった。一目見て子供の成長がわかる家族のストーリーがそこに記されていた。
素行調査で尾行をする際には対象人物を確認するために写真をあずかっている。
家族ならばどんな姿でいても100メートル先でもわかるだろうが、調査員は提供情報と対象人物の写真を確認して尾行を開始する。
まれに最近の加工されたプリクラのような写真しかなかったり、普段とは違う海外旅行や旅先での写真、昔の証明写真など、依頼することは複雑な家族の事情があるため、直近の対象人物の写真がないことも多い。
勤務先や立ち寄るであろう場所からの尾行開始では、多くの人の出入りがあり、雨でも降っていて傘でもさそうものなら顔の確認が困難なケースがある。
女性は特に化粧や髪型、服装で大きく変化するので、何パターンかの写真があれば参考になるがそれでも写真と現実の姿が別人のように見える時がある。
預かり写真は結婚式の写真や、子供達とのイベントの写真が多いだろうか。
写真を撮影することは楽しい時間を過ごしているので、笑顔の写真がそこにある。
写真をあずかる時、これまで普通に暮らしてきた証のようだったこの写真が、調査を開始する証になってしまうことに依頼人がどれだけこれを差し出すことに葛藤しただろうと胸中を思いながら受け取っている。
また、対象人物が家族ではない場合、写真などなく、或いは集合写真の中の小さな顔写真のみで全体の雰囲気をつかめないものが多い。
人間の顔はたったひとつのオリジナルに違いないが、それは知り会った中だけの情報の刷り込みなので、群集の中にかき消され、開始場所のドアから出たとしても、調査員は離れた場所にいるため果たして本当にこの対象人物なのか確認しにくいことがある。
それでも調査員はそれがたとえ豆粒のような写真であっても、提供する写真がなくとも指定された開始場所から対象人物を見極める術を知っているので調査を確実に遂行してくれる。
長年この職業を続けていると、当たり前のように思ってしまいがちですが、私はいつも調査員の目に見えぬ苦労とこれまでの蓄積されたわざと感の鋭さに感動している。
依頼人もその大切な写真を差し出して、引き換えに、こだわり続けた確証をようやく得ることが出来るのだった。
家族写真は万国共通、どんな時代も撮り続けてきた家族の証であって、家族の歴史を伝えるものだと思っています。
その大切な写真をあずかることから調査が始まりますが、 どうかご安心下さい。
お手元に何らかの事情で提供する写真がなくとも、全く心配ご無用です。
プロならではの手法を持って調査は万全にお引き受けすることが必ず出来ます。
ご相談下さい。
お力になります。