恋愛
2013年8月20日 カテゴリー:雑記
時々ブレイクする喫茶店がある。
そこは天神橋筋商店街の古くからあるお店でレトロな佇まいの喫茶店である。
喫茶店といえども、ボリュームのある定食の豊富さ、安さ。
ソファーに寝ころんでもいいような、何か実家のダイニングでもいるような、そんな気のおけないお店である。
ランチの時間、隣にカップルがやってきた。
失礼ながら、ずっと眺めていたいほどの気持ちになったのはどうしてだろう。
カップルの人達など、どこにでも遭遇するのに男女の互いの気持ちのやり取りや、
見せる表情、その仕草がとても素敵だったと言ったら、おかしいだろうか。
カップルの着ているファッション然り、その佇まい。
何かタイムスリップした昭和の青春映画を見ているようで、このお店に実にお似合いなカップルなのだった。
仕事でいつも不条理な愛の形を見せられている私は、そこに純然たる普通の健康的な愛し合っているカップルの姿を見ていると、気持ちの波動を感じ、恋愛が人に与える素晴らしさを実感するのだった。
ただ一緒にいるだけで楽しい。
そうして始まる恋愛は結婚へと向かい、家族となって永遠の契りを交わして誰も別れることなど、裏切ることなど微塵に感じずにこうして今を生きている。
この広い世界の中で偶然ともいえるめぐり会いの中で出会い、愛して愛されることの素晴らしさ。たった一人でも自分の話に熱心に耳を傾けて、寄り添ってくれる人がいることで、恋愛は心を暖かくして、日常のつまらぬことさえも静めてくれます。
私は常に人間の愛憎の中で仕事をしている。
それが私の仕事の困難さであり、全てだといってもいい。
未だ何年たっても、この仕事に慣れるということはなくて、依頼人と共に苦しい思いが溢れてしまうことがある。
隣のカップルは、忘れかけていた大切な感情をよみがえらせてくれた。
また、あのお店でブレイクしよう。
そして、あのカップルに、また出会えたらとても嬉しい。