ホイットニーヒューストン
2012年2月14日 カテゴリー:雑記
どれだけ裕福な生活をしていても、仕事のキャリアを持っていても、美しい容姿であっても、愛する家族がいても、人生の悩みは尽きない。
原題「Waiting to Exhale」 邦題「ため息つかせて」
90年代初めにつくられたブラックムービーの作品です。
全編、当時のブラックミュージックが流れています。
今、見てもまったく遜色なく楽しめ、時々BGM代わりに流していたりします。
舞台はアメリカ・アリゾナ。
4人の女性がそれぞれ家庭の悩み、夫の不倫、過去・現在の恋愛に悩み、乗り越えるまでのお話です。
感覚はやはり日本人とは違って文化も違い、何事もテンションが高いのですが、万国共通。愛を探し続けるお話です。
4人の中でも一番興味深いのはアンジェラ・バセット扮する女性。
夫婦で苦労してようやく軌道にのった会社。
ようやく落ち着いたかと思った時に夫が秘書と不倫。
夫の余りにも納得いかない慰謝料に裁判で戦う姿が圧巻です。
始めはかつての楽しかった家族のビデオを眺めながら涙を流し、鬱状態の日々になるのですが、
ある日、何か吹っ切れたのかクローゼットから夫の荷物全てを運び出します。
庭で夫の衣類、時計、靴、全てを燃やします。
夫の愛車ごと燃やし、燃え盛る炎。
シルクのガウン姿で人差し指を大きく突き出したりします。
日本の住宅事情では隣家に燃え移り、大変なことになります。
高級な時計や靴など燃やさなくてもいいのに・・・と思います。
車も売ればいいのと・・突っ込みたくもなります。
燃やし尽くせない夫のモノは庭先でこれまたガレージセールで1ドルでたたき売ります。
このように感情の起伏は激しく、異常とも思える怒りの表し方なのですが裁判を終えると、いつも1人ホテルのバーで静かにゆっくり自分と向き合います。
髪をバッサリ切り、ベリーショートにして、逞しい二の腕を出して、ゆっくりグラスを傾けます。
そこは白人しかいない場所であり、女性が1人、堂々と、且つ、実にカッコよく、座っていることがこの女性の真の強さを表しています。
80年代の歌姫、H・ヒューストンが4人の女性の中の1人を演じています。
日本では「ボディガード」あたりしか彼女の映画は知られていませんが、私はこの映画の彼女が一番美しく輝いていたと感じられる作品で好きでした。
愛の歌を歌うこと、それを人に響かせるには、苦悩も悲しみも、必ずいつか全てが味になっていくものだと聴くものは勝手に思いますがスーパースターの寂しい死。
きっと復活を遂げるだろうと思っていたのに残念です。
今夜はこの映画をじっくり見ようかと思います。