妻のノート
2012年2月06日 カテゴリー:調査記
面談時に持参される一つに小さなノートがあります。
それはだいたい手のひらサイズです。
日記のようなものもあれば、妻にしかわからない暗号で記されているものもあります。
夫の帰宅時間、不審に思う日時、不審物の情報。
朝、夫の財布にいくら入っていて、帰宅するといくらになっていたなど。
喧嘩をした時の夫の言葉、その時の自分の心情。
○△□としか書かれておらず、これは何ですか?と聞いたところ、これはその日の自分の気持ちを現していると言う。落ち込みの激しい時は×が続く…。
一体、どうしてわざわざこの様なものを書き記すのか。
普通の方はわからないでしょうが、これは誰にもどこにも気持ちを言えない妻の苦しみを吐き出すノートです。
混乱する状況は頭の中だけでは情報処理が出来ません。何とか情報を整理するために必要なことなのです。
勿論、それらが調査の情報ともなり、大いに参考にさせていただいています。詳細な時系列は内容によっては弁護士への参考資料になるものもあります。
面談時にどれだけ気丈に振舞っていても日記の中では死にたいくらい、打ちひしがれていることをそのノートは語ります。
家族が寝静まった深夜。
妻は今日も一日あったことを書きます。どれだけ忙しくても、今起きている事を忘れないように、また今の気持ちを静めるためにも。
そして、日記が始まった頃から現在までの状況をもう一度再確認します。
どれだけデジタルな世界になっても、ペンを持って記し続けます。
内容はそれぞれ違いますが、いつもそれを読んで思います。
書き続け、読み続けなければならないその心情を。
×の続く毎日。
字はどんどん乱れていきます。
今、このようなノートを書き続けている方へ。
苦しいですが書き続けることは、けして無駄ではありません。書くことで精神を落ち着けてもいるのです。
でも、向き合うことが限界になった時には、どうかご相談下さい。調査をお受けした段階でそれは大切にお預かります。
そのノートはあなたの分身でもありますから。
必ずそのノートに◎が書ける日が来ます。