明日、君がいない
2011年9月14日 カテゴリー:雑記
深夜、眠れない時にふとつけたCSチャンネル。
途中からにも関わらず引き込まれるように最後まで見てしまいました。
随所に張り詰めたシーンの連続。
いつもの笑顔、うまくいっているのかと思えば・・。
それぞれの心の中の闇は確実に広がっている。
それは親しい友人でさえも気づけない。
この映画の監督ムラーリ・K・タルリ19歳。
原題は「2時37分」2007年作。
親友が謎の自殺したことで、ショックを受け自らも自殺未遂を起こし、
この経験を基にした若者の群像劇です。
登場するのは6人の学生。
オーストラリアの中流の家庭のどこにでもいるような学生達。
複雑に絡み合った6人の悩みの深淵。
シンプルなカメラワークと紗のかかった 何か幻想的なムード。
何かが起きる前触れとして、常にプレッシャーを感じさせるエピソードをちりばめていきます。
障害を持つ男の子がいじめにあい、逃げこんだトイレの中。
そのいじめた子が嫌悪していた自分もゲイであることに気がついて
誰もいないだろうとトイレで1人発狂している。
その相手女性も愛されないことに自分を見失っていく。
それぞれの時間軸にさかのぼってのストーリー構成。
リアリティをもってインタビュー形式に語らせる。
途中、この6人の中の誰かが自殺するのだろうと。
2時37分に。
しかし、ラストは全く思わぬ展開に。
本当に悩んでいるものは心の内など話さないとも言われています。
特に人生経験の少ない若者にとっては、今、置かれている環境が人生の全てに思えてしまう。
それは家族であったり、学校であったり、恋愛であったり。
その逃れられない世界にいます。
そして、死の覚悟を見せず、直前まで笑顔でいることに。
この若き監督に、人を愛し、愛することの素晴らしさ。
その絶望を超えた人間には、必ず人生は希望に満ちているのだと。
静かに深く、死とは一体何なのかと心を浸透させるような作品でしたが、
いつか、そんな作品も描いてほしいですね。